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こんにちは設計チーフの千知岩です。
さて今回は、先日ご提案させて頂きました、MT邸のプレゼンテーションにおいて、最適解を導くための手法についてご説明させて頂きます。
 
土地探しからスタートされたご家族3人の2階建てのお住まいです。
 
敷地は東西に長く東側道路4Mに接続し、道路を挟んだ東側には4階建マンション、南側隣地は2階建一部平屋、西側隣地は境界いっぱいに2階建てが建ち並び、南西角にも3階建と住宅に囲まれた24坪の敷地です。
 
最大の難問は、東側に4階建・南側に2階建・南西側に3階建が建っており冬期に朝から夕方まで日射熱の恩恵を受けることが出来ない可能性が高いことです。
しかし、幸いなことに南側隣地建物の西側のほぼ半分が平屋であることから、お昼までの日照は確保出来そうです。
 
初期案として、2階LDKをパッシブエリアとし、今回のコンセプトに『視線・抜け・奥行』を作り出すことを考えプランニングを進めました。


計画の課題として、
 
1.駐車場1台+駐輪のスペースには屋根がほしい、またベビーカー使用のため段差のないアプローチが必要。
 
2.2階をLDK(パッシブエリア)とし、冬期にできるだけ長い時間の日照を確保出来ないか。
 ※パッシブエリア=自然エネルギーを利用して空調機利用を抑える事ができる領域
 
3.2階は13坪程の想定面積だが家事動線を考慮し、LDK+水廻り+干場を盛り込む中で、気持ちの良い空間を作り出せないか。

 
20130517_宮田邸 スケッチアップ(最新)4サイズ変更.jpg


検討を重ね最適解に至った方法論ですが、
 
1.東側道路からのファサードを考えた場合、エクステリアの既製品はできるだけ避けたい為、面積上可能な範囲でウッドデッキを設え、デッキ床下部に屋根を作り、ポリカーボネート素材で覆いました、よって駐車場および駐輪スペース・アプローチと比較的安価にデザインを損なわず、機能的な外構計画が可能となりました。
 

2.2階建以上の建物に囲まれているため、日照シュミレーションで建物ボリュームを想定し、2階屋根に取り付くペントハウスがどの位置にあれば日射取得可能か検証を重ねました。
日射取得のためのペントハウスは北東位置が有効だと確認でき、冬期、東面の掃き出し窓には朝9時過ぎから日射取得可能で、ペントハウスの窓に至っては15時半頃まで日射熱の恩恵を受けることが可能となりました。
 
3.日照シュミレーションで検討した建物ボリュームからゾーニングを行いました。
プランニングのセオリーでは、今回の建物間口では水廻りを長手方向に配置するとく感じますが、南側隣地の西半分が平屋であるため、視線の抜けができることから水りと平行にキッチン・ダイニングを配置、リビング上部はペントハウスの吹抜とってお、そこからウッドデッキへと繋がります。
水廻りはキッチンに隣接しているため、干場へのアクセスもスムーズに行なえる家事動線となりました。
リビングには御客様たってのリクエストでスキップフロアーとし、さらにリビングからつながる大きなウッドデッキにも段差をつけたことで楽しさも生まれました。
 
MT邸の2階は、外からではわからない程プライバシーが守られ、天井高の変化・床の高低差・SE構法により耐力壁のない建物間口は『視線・抜け・奥行』を十分に感じていただける気持ちのよい空間となりました。