基本設計-1

2021年2月7日更新

今回より基本設計について詳しく説明していきたいと思います。
 
弊社ホームページより
【家づくりのイロハ】
■ハ.家づくりの進め方→STEP3
 
上記は、初回提案後設計申込を頂き、住宅ローン審査を進めつつ、基本設計(マスタープラン)を固めるステップです。
先ずは、正確な全体費用を算出するベース(基本プラン)をつくり上げることを目標とします。
 
大きく分けて以下の3つで構成しています。
①基本設計
②全体費用の確認
③住宅ローン審査
 
では①の基本設計ですが、
主に以下の検証・検討・承認を行います。
●基本設計−1(敷地確定・プラン決定・法規チェック・設計レビュー①)
●基本設計–2(造作家具及び内装建具承認・照明計画方向性・サッシ承認)
 
 
それでは、●基本設計−1について詳しく説明いたします。
【敷地確定】
まずは敷地を確定する作業に入ります。
開発造成地以外では道路及び敷地境界が確定していなく、なんとなく境界がこの辺りかなと
曖昧な敷地が多いため、これではCAD上でミリ単位の作図ができません。
法務局備え付けの地積測量図があるかをまずは確認をします。
測量時期が古いものでは、敷地及び道路境界にある塀・側溝が、地積測量図のどの位置に当たるのか特定できないため、土地家屋調査士に現況測量と高低差の測量も併せて依頼します。
 
【プラン決定】
設計申込時にフィードバックを頂いた変更要望などを加味してプラン提示を行い、
プレゼン時と同じように手書きにてドローイングを行います。
フロアープランと同時にマッシブなファサードを目指し、パッシブデザインを検討していきます。
さらにこの段階から設備計画(給排水、暖冷房)も並行して行います。
このプラン決定が全体スケジュールの期間を大きく左右しますので、コミュニケーションツール・オンライン、来場でのライブドローイング打合せと効率よくクライアントと進めます。
上記からご理解を頂き、了承の上概ねプランが決定となります。
 
 
【3Dモデリング】
プレゼン時もこのモデリングソフトを使用し検証いたしましたが、変更プランも同じく2次元で検証しきれない部分を補うために再度建物形状・窓・内部空間など、落ち着いた佇まい、気持ちの良い内部空間を目指し、かつパッシブデザイン社内ルールと併せて検証・検討・変更を繰り返しながら決定します。
 
【図面作成と役所確認】
クライアントとプランについて概ね合意が得られましたので、建築基準法の確認作業に入ります。
法規チェックの段階に入ると手描き図面では検討ができないため、以下の1/100スケール図面を作成し検討します。
●配置図
プラン決定した際の配置寸法で、隣地境界付近の設備機器配置(エアコン室外機・給湯器)・集団規定(道路・北側斜線)を確認します。
また隣地境界線の民法規定よりさらに離隔距離を縮めて配置する際は、隣接地との協議を行うことが必要になる場合があります。
●敷地の縦横断面図
現況の高さと、外構計画から造成高さを検証します。
※既存擁壁がある場合は、プレゼン時に利用可能か判断を終えていますので、この段階では基礎形状の正確な深さを検証します。
既存擁壁に近接した建物配置の場合は、地盤が良好な場合でも安息角を用いて地盤改良が必要になる場合があるため、改めて別の機会に詳しくご紹介いたします。
●平面図
各居室の単体規定(採光・換気・排煙)を検証します。
外部配管ルート、幹線引込みルート、建物配管ルート(配管・ダクト)を決定
以下の位置も併せて決定します。
給湯器、24時間換気、点検口、インターホン、ポスト等
●立面図
配置図と共に集団規定(道路・北側斜線)を検証します。
マッシブな佇まいを形成するため、特に2階の階高を抑えて設計します。
●平均地盤算定図
北側斜線検討は地盤面が基準ラインとなり、敷地及び道路に高低差がある場合は平均地盤高さを求める必要があり、この算定を行なってからでないと北側斜線検討ができません。
平均地盤面は、高低差がある部分を立面で面積算定し、面積を建物周長で割ることで求められます。
上記の寸法を基準ラインに加算して北側斜線を検討します。
●上記の検証・検討から不明瞭な部分を役所・民間審査機関で、建物が建築基準法上抵触しないことを確認します。
 
【設計レビュー①】
上記の検証・検討を終え、社内でのチェックを行います。
担当者がクライアントの要望・建物概要を事前に社内共有し、社内で確認したい内容も含めて概要説明を行います。
設計スタッフ及び福田から、使い勝手・温熱環境・仕様・材選定など様々な検証を行い、建物をさらに昇華させるためのレビューとなります。
社内設計レビューは以下の①〜④で実施します。
①基本設計時(プラン決定、検討後)
②基本設計時(見積提示後)※上記全体費用の確認
③実施設計時(実施2回目の設備打ち合わせ頃)
④現場伝達時(着工前)
 
 
次回は
●基本設計–2(造作家具及び内装建具承認・照明計画方向性・サッシ承認)についてご説明します。
 
 
※安息角(土・砂などの堆積(たいせき)物が崩れないで安定しているときの、斜面と水平面とのなす最大角度。)
 
 
◼完成見学会(イベントレポート)
https://www.fukuda-lld.jp/events/?p=22639&post_id=22639

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