基本設計–12

2021年7月12日更新

前回は以下の●基本設計-2の各項目の【外部建具②意匠・機能デザイン】についてご説明させて頂きました。
 
 
弊社ホームページより
【家づくりのイロハ】
■ハ.家づくりの進め方→STEP3
 
上記は、初回提案後設計申込を頂き、住宅ローン審査を進めつつ、基本設計(マスタープラン)を固めるステップです。
先ずは、正確な全体費用を算出するベース(基本プラン)をつくり上げることを目標とします。
 
大きく分けて以下の3つで構成しています。
①基本設計
②全体費用の確認
③住宅ローン審査
 
では①の基本設計ですが、
主に以下の検証・検討・承認を行います。
●基本設計−1(敷地確定・プラン決定・法規チェック・設計レビュー①)
●基本設計–2(造作家具及び内装建具承認・照明計画方向性・サッシ承認他)
 
 
 
 
今回は、●基本設計−2の【外部建具③パッシブデザイン】について説明いたします。
 
上記カテゴリー②の全体費用の確認のためには以下の金額算出も必要です。
初回提案の際に以下の金額算出を行いご提示していますが、プラン変更による増減見積や地盤改良見積、オプション類の絞込みも合わせて行います。
 
■土地に付帯する費用
【地盤改良】
【給排水引込関連】
【特殊工事】
【外構工事】
■建築関連費用
【住宅設備】
【造作家具】
【内装建具】
【照明】
【外部建具】
 
 
外部建具はいわゆる外壁に取り付けるサッシです。
サッシは、以下の項目における建物の重要なパーツとなります。
プレゼンテーションの段階であらかじめ以下の検討から提案を行い、この基本設計の段階で
建主とも共有しご理解を深めて頂き決定します。
以下の計4回に分けて説明いたします。
 
・①法規
・②意匠・機能デザイン
・③パッシブデザイン
・④防災・防犯
 
 
③【パッシブデザイン】
パッシブデザインにおける窓(開口部)は重要なエレメントです。
 
なぜなら屋根・壁その他に比べ、断熱性能の高いサッシにおいても1/6〜1/7程度で熱損失が建物の部位の中で最も大きく、窓の設計次第で室内環境が大きく左右されます。
であれば窓を完全になくしてしまえば外気温に左右されない住まいが可能ですが、暗く狭さを感じ外とつながりがなく精神的にもストレスを感じてしまいます。
 
やはり窓は住まいにとって重要であるとご理解頂けると思います。
 
そこで室内環境を安定的に向上させる設計をするために、窓について以下の項目に注意して設計を行なっています。
 
 
 
・面積制限
各部位の断熱仕様を統一すれば各物件毎に性能は安定しますので、窓は屋根+壁の面積比率から窓の大きさを定めています。
冬期を主体として、南面に留まらず周辺建物の影響を受けない窓は、パブリックスペースであるリビング・ダイニング・キッチンの床面積比率から目標を定め、可能な限り大きな窓にして熱取得をすることで太陽熱の恩恵を享受できます。
南面以外の窓は、換気・通風を考慮しながら小さく制限し割り当てます。
 
 
・附属部材
冒頭に窓の断熱性能は建物の部位の中では低いと説明いたしました。
よって季節、昼夜に合わせた附属部材を窓とセットで提案することで、窓の性能が向上します。
冬期の夜間、夏期の日中など熱損失・進入を抑えるため、ハニカムサーモスクリーンという断熱ブラインドを合わせて提案いたします。
また上記以外の付属部材については詳しく下段で説明します。
 
※ハニカムサーモスクリーン(セイキ)
 
 
・日射取得
主に南面に設置する窓で周辺建物の影響がなく日射取得が可能であれば、大きな窓(W2.5M×H2.2M)を用いて冬期の太陽熱の恩恵を受けられるように提案いたします。
南側隣接建物の影響で日射取得が困難な場合では、吹抜けに最大W2.5M×H2.2Mの窓を用い上部から日射取得を行います。
ガラスはLOWーEガラス(アルゴンガス入り)の中でも取得に最も有利な日射熱取得型のガラスです。
冬期において南面での日射取得が不足する場合は、南面に限らず東西面においても取得型のガラスで提案いたします。
 
 
・日射遮蔽
対策として南面以外のガラスは遮蔽型を選定します。
ではさらに附属部材として以下の部材を紹介いたします。
 
【外部ブラインド】
ヴァレーマ:日射熱を約80%以上カットし、熱量を1/5まで下げる効果があります。
 
【外部ロールスクリーン】
アウターシェード:外部ブラインド同様日射熱を約80%以上をカットします。
明るさは遮らず、室内からは外の眺望を妨げることがなく外の景色を楽しめます。
ロールスクリーンですので、必要のないときは巻き取ることができコストパフォーマンスが良いです。
 
 
・通風
通風から考える窓配置は、行き止まりを作らない配置と全方位通風です。
ただ全方位通風を考えすぎて各面に窓配置してしまうと落ち着かない空間となってしますので、パブリックスペースであるリビングダイニングキッチンはバランスを考え配置に注意します。
前回意匠・機能デザインで紹介した窓は、通風にも適しています。
基本通風の入り口となる窓は、できるだけ大きく通風を呼び込み、通風の出口は南面以外となるため、コンパクトな窓とすることで風速が上がり気持ちの良い風が室内を通り抜けます。
また吹抜けでは温度差による空気の浮力(重力)の差で換気量が上がります。
 
 
次回は
●基本設計–2の項目について■建築関連費用【外部建具④防災・防犯】をご説明します。
 

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