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さて今回は『職住が共にある下屋をもつ南生駒の家』第1回、計画課題.②の最適解を導くための方法論についてご紹介したいと思います。
 
 
土地探しからスタートされたご夫妻の2階建てのお住いです。
 
計画地は西及び東側にそれぞれ6M・16Mの道路があり、南北に繋がる分譲地です。
敷地高低差が3M、北側にはサイドアプローチの住宅、南側は近隣の方が分譲地を一時的に畑に利用、真北は北側の住宅から23度ほど西側道路側に傾斜した、第一種低層住居専用地域に指定された敷地は整形な約75坪の傾斜地です。
 
 
ご要望は
・リビングは広く、テレビ中心じゃない生活(インテリアから間取りを決めたい)
・キッチンダイニングとは繋がりつつも空間的には分けたい(LDKが真っ直ぐ続く間取りはNG)
・コンパクトで落ち着くダイニング
・キッチンはクローズでもオープンでもない程よい空間
・洗面はランドリールームを兼ねた広めの空間に
 
 
計画の課題及び提案
①.土地利用計画と家事動線に配慮したゾーニング計画
②.2面道路で3Mの高低差がある敷地でのプライバシーの確保とコストダウン提案
 
 
検討を重ね最適解に至った方法論ですが、
 
②.計画地は道路が2面あり3Mの高低差があるため、まずはどこからアクセスしてどこに建物を建てるかを検証します。
 
 
高低差のある土地の場合、建物をフラットな地盤面に建てることが一般的です。
 
周辺を見渡すと南東面の広い道路から駐車スペースおよび門扉があり、上方の土地に建物を建てるために擁壁を築造して階段で上がった玄関までアクセスしていました。
 
それではコストが嵩みますので、上方の北西道路からフラットに続く土地は敷地全体の2/3ほどある為、北西道路から玄関へのアプローチ・駐車・駐輪スペースを作り建物を道路から後退させても建てることが可能と判断し検討を始めました。
 
 
 
プライバシー面においては、北西道路面に面する居室は通りから内部が見えないように、窓はハイサイドにサッシを取り付けプライバシーを確保します。
 
南東道路は地盤面から高低差が3Mあるため道路からの視線は気にならないのですが、16M道路対側の住宅の2階からの視線も考慮し、前々回の方法論①で配置について触れていますが、建物を真南に配置することで正対しないため、ダイニングキッチンのような開放的で活動的な空間においては、窓を開放しての生活が可能であると思います。
 
またリビングにおいては建物を真南に配置したことで、隣接地との間に小さな空間ができます。
 
南東道路面に一部目隠しのウッドフェンスと人工地盤のウッドデッキは、リビングから繋がるちょっと外へ出たくなる中間領域としてプライバシーの高い外部空間となります。
 
 
コスト面について、南東道路側の法面は土地の形質を変更しないことでコストをかけずに済みます。
 
真南の建物配置から南東面の法面に、建物を一部配置することになり深基礎でコンクリート表面が現れますが、擁壁を築造するコストからは比較にならないほど抑えられます。
 
基礎コンクリートの無機質な表面と法面は、将来的にロックガーデンのように石と緑に覆われた傾斜地に変わり、数年後は人の目に優しく映ることになると思います。
 
結果、コストおよびプライバシー面から両立した計画とすることができました。