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さて今回は『Sleeve wallハウス畦野』第3回、計画課題.②の最適解を導くための方法論についてご紹介したいと思います。
 
 
 
土地探しからスタートされたご家族3人の2階建てのお住いです。
 
 
 
計画地は2区画分譲地の南側、南分譲地の敷地形状はブーメラン型で翼に位置する部分が東と南、東には4M強の道路で北に向かって下り、周辺との敷地高低差は最大約1.0M上がっています。
西側には2階建住宅、敷地形状の翼に挟まれた南東部分に2階建のアパートが隣接して建てられ窓が接し、プライバシーへの配慮が必要です。
唯一南に間口5Mほどの抜けがあり、そこからは田園風景が広がり南山を望むことができる第一種中層住居専用地域に指定された約60坪の土地です。
 
 
 
ご要望は
・省エネな暮らし、無添加な暮らしを実現したい
・ランニングコストを抑えることができる家
・災害に強く、安心して暮らせる家
・家族でゆっくりと過ごしたい
・外を眺めながらお茶をしたい
 
 
計画の課題及び提案
①.土地利用計画とゾーニング計画
②.プライバシーの確保と終日日射取得の両立
 
 
 
検討を重ね最適解に至った方法論ですが、
 
②.東西に長く建物を作ることで南に面する部分に晴れた日は、日射取得が得られ暖かい室内環境が得られます。
 
日射取得を受ける面がほぼ南に面することで日射を朝から夕方まで終日取得することが可能になります。
 
また今計画では、建物外壁面がほぼ南に面することになるものの、敷地形状から必要諸室を考えると東西に長く作ることが叶いません。
 
これでは北側エリアに配置した部屋が南に面する部分と室温差が大きくなってしまいます。
 
そこでこのような敷地条件の場合はどのような方法で検討したのかお伝えさせて頂きます。
 
それは、南に面する外壁面をたくさん作りながらかつ北側エリアにも日射取得が可能にできる形状にすることが大切です。
 
南側を平屋形状(下屋)にすることで2階部分の建物奥行きが小さくなり、そこから日射を取得する方法です。
 
北側エリアのユニットを南側と分節した構造ユニットとし、前回お伝えした407モジュール(3,640ミリ×7,280ミリ)を北側に2層積み上げ、南には下屋として一つ、ブロックのように組み上げることで南面の日射取得面をたくさん作ることが可能になります。
 
上記のユニットには、リビング・ダイニング・キッチン+寝室、吹抜けと将来の子供部屋です。
 
さらに吹抜け位置は重要です。
 
西もしくは東側どちらに配置するか。
 
西側に配置した場合、周辺の住宅に囲まれたエリアでは午後以降に西隣接建物の影ができ、思うような日射取得が得られません。
 
よって東側の吹抜けに面した窓を設けることで、生活時間帯に日射取得しかつ西側の隣接建物から距離を取ることで夕方まで暖かさが得られます。
 
弊社では、パッシブエリアであるリビング・ダイニング・キッチン他建具を開け放すと連続する空間になるエリアの床面積に対して、一定以上の窓を設ける目標値を設けています。
 
よって高断熱高気密住宅で断熱性向上を行い熱損失を防ぐことで、日射熱取得により室温が20度近くまで上昇し暖房エネルギーの削減につながります。
 
また窓はプライバシー面を考えないと、プライバシーが損なわれカーテン等で締切ってしまい、結局暖かさが得られず大きな窓をとっても熱損失が増え逆効果です。
 
そこで、外壁ラインに軒先からつながるうだつのような袖壁を作ることでプライバシーが守られます。
 
袖壁を作ることで、日射取得量が若干減少するものの窓を開放した生活がしやすくなることと機能性を持った袖壁(Sleeve wall)が建物の個性となり、建物形状が機能面と意匠面を両立したシンプルでマッシブな佇まいとなりました。