こんにちは。カスタマーサポートの宮嶋です。

弊社には小さな子供がいるスタッフが数名おりまして、
次から次に熱が出たとかインフルエンザがとか家庭内で感染しまして、、、
といった具合にいつも誰かが調子が悪いのでは？
というくらいの状況が続いております。
なお、先々週と先週は我が家の番でした。

さて、このような時期になると時折、
「無垢材に消毒液をかけても大丈夫か」というお問い合わせをいただきます。
病状によっては嘔吐を伴うこともあり、
きちんと処理をしなければ感染が広がってしまいます。
アルコール除菌や、次亜塩素酸ナトリウム系の除菌剤など、
ウイルスによって使い分けをしながら何とか蔓延を食い止めようと
どのご家庭も頑張っています。

床やテーブルといった無垢材に吐いてしまった場合、
ウイルスも気になりますが消毒液をかけてもいいのか、
ということも気になるところ。
調べると出てはくるものの、実際に綺麗にするところまで自分で試したい！
ということで久しぶりの実験です！

【用意したもの】

杉無垢材
きぬか（保護オイル）
パストリーゼ（アルコール除菌剤）
キッチンハイター（次亜塩素酸ナトリウム配合除菌剤アルカリ性）
ノロキラー（次亜塩素酸ナトリウム系除菌剤だが酸性）
クエン酸

無垢材には半分だけきぬかを薄く塗り、しっかりと乾拭きしました。

パストリーゼ、キッチンハイター（３倍希釈）、ノロキラーをかけて5分放置。
思ったより変化がないので、キッチンハイターの原液を追加で塗り塗り・・・。
ウェットティッシュで拭き取ります。

ハイターを塗ったところ（特に原液）が黒ずんでいますね。

これは木の中に含まれるタンニンがアルカリと反応しているからです。
ハイターの他にも酸素系洗剤（オキシクリーンなど）や、重曹、漆喰も同じくアルカリ性ですので、液状のものが着くと同じように黒く変色します。（詳しくは過去ブログをご覧ください）

さて、ウイルスは除菌して、嘔吐した子供が少し落ち着いてやっと寝てくれましたという設定で、3時間ほど放置しました。
いかがでしょうか。

アルコール除菌はきぬかの効果がテキメンですね。
無塗装の方は白くぼやっとシミができています。
きぬかを塗っている方は、シミもなく綺麗なままです。

ハイターは黒ずみが出ています。何となくきぬかを塗っている方がマシな気がします。
贔屓目に見たいのかもしれませんが。
また、やはり原液を塗った方がかなり強く変色しています。

ノロキラーは次亜塩素酸ナトリウム系ではあるものの、
酸性の表記がありましたので、変色まではいっていないですね。
ここにはきぬかによる違いは見られませんでした。

では、次にできてしまったシミへの対処を考えてみます。
まず、無塗装で白いシミを作ってしまったアルコール除菌ですが、
よく見ると色が抜けているような感じでした。
ウェットティッシュで擦っただけではなくならず、
キッチンスポンジと水で周辺との色の差をぼかすという方法になりました。
きぬかを塗ると少し色味が濃くなり周辺と馴染んでくれるので、
そこまで気にする必要はないかなと思います。
余力があればピースを丸ごと擦っていただく方が、綺麗に仕上がります。
きぬか＋アルコール消毒はシミができませんでしたので、
事前のお手入れがポイントとなりました！

次に、ハイターの黒ずみです。
過去ブログでもお知らせしました、アルカリと木材の反応でも使いました、クエン酸。
３倍希釈くらいで塗ってみます。
すーっと色が抜けていきます。
1分ほど放置したのち、拭き取ってまだ色が残っている箇所に再塗布。
3分ほど放置してみました。

きぬかありなしともに、綺麗に色が抜けました。
クエン酸はベタつきや結晶が残ることがありますので、
こちらもウェットティッシュでしっかり拭き取ります。
病状が回復する頃には床もしっかり乾いていると思いますので、
きぬかなどのオイルで拭き上げて表面を保護していただければ完璧です。

3時間くらいであれば、無垢材に何かしらの反応が出ていたとしても、
綺麗に元通りにすることができました。
何事もなく健やかであることがもちろん一番ですが、
何かの時にはこのことを少し思い出して躊躇なく
消毒液を使用していただければと思います。

使った杉板は綺麗に拭き上げて、きぬかを塗って仕上げました。