こんにちは。工務部の大塚洋一です。
今回は、大阪市で建築中の現場より、先日実施した「気密測定」の様子をレポートします。
改めて「気密測定」とは、住宅の隙間の大きさを専用の機器で測定し、その住まいがどれくらい隙間のない家(高気密)なのかを評価する検査のことです。測定結果は「C値(相当隙間面積)」で表され、数字が小さいほど隙間が少なく、気密性が高いことを意味します。弊社の基準値は「C値=0.5㎠/㎡以下」と定めています。
いつも通り、現場では細部まで気密処理を施しながら施工を進め、検査前には換気扇などの貫通部を丁寧に目張りして、万全の準備で測定に臨みました。
今回の建物は、すっきりとした間取りに切妻屋根という、非常にシンプルな形状です。延床面積もやや広めなため、測定値には良い結果が期待できそうでした。ただ、一部の床を基礎高さから下げて土台を無くして納めている箇所があり、そこの気密処理と、ワイドスパンの引き違いサッシの納まりが今回の「弱点」になりそうなポイントでした。
ともあれ、まずは現状を確認すべく、1回目の測定へ。
結果は……「C値=0.2㎠/㎡」!

この時点で、すでにかなりの高水準を獲得しました。
心配していた床下げ部分や引き違いサッシからの漏気はほとんどなかったのですが、注意深く探ると、玄関ドアの下端付近(こちらも土台のない箇所)からのわずかな漏気を確認。
すぐに玄関ドアと基礎の取り合いを補修し、再び2回目の測定に臨みます。
その結果……「C値=0.17㎠/㎡」!
わずかではありますが、さらに数値を改善することができました。
測定値は建物の形状や面積に左右される傾向にあります。私たちはどのような条件の建物でも一定以上の結果となるよう毎度試行錯誤しているのですが、今回は普段よりさらに一歩踏み込んだ良い結果となりました。

要因としては、先に述べた建物の好条件だけでなく、私たちが「弱点になりそう」と予測した部分に対して、職人さんとともに徹底した丁寧な施工を行ったことが実を結んだのだと分析しています。
昨今、家づくりにおいて「気密性」や「断熱性」がいかに重要であるかは、多くの方に知れ渡ってきたと感じます。しかし、この優れた気密性能を暮らしの中で活かし続けるためには、「日々のメンテナンス」と「季節に応じた対策」が何より肝心となります。
気密性が良いということは、「計画的な換気が正しく機能する」ということです。余計な隙間が少ない分、いわゆる隙間風を防げるのはもちろん、給気口から入ったキレイな空気が部屋の隅々までしっかり巡り、換気扇によってスケジュール通りに排気されます。そのため、二酸化炭素や湿気、ニオイが室内に滞留しにくくなります。
また、隙間から花粉やホコリ、PM2.5などが無防備に入ってくるのを防ぎ、専用のフィルターを通したキレイな空気だけを取り入れることが可能になります。 その分、給気口のフィルターや換気扇の羽、グリルなどはしっかりと汚れていきます。ここを定期的に清掃してあげることこそが、本来の気密・換気性能を維持するための大切なメンテナンスです。
また、高気密・高断熱住宅だからこそ、「夏のオーバーヒート問題」や「冬の過乾燥問題」も同時に考えていかなければなりません。
まず、夏の「オーバーヒート問題」について。
これは、一度室内に入り込んだ熱が外へ逃げにくくなり、室内にこもってしまう現象のことです。
これを防ぐ大前提は、設計段階での「パッシブデザイン」です。太陽の高度を考慮し、南面に適切な長さの庇や軒を設け、西日が入らないように窓の大きさを調整し、遮熱性の高いガラスを用いた計画とすること。いかに日射熱の侵入を「建物の外側」で遮蔽できるかが勝負となります。すだれやオーニング、外付けブラインドやシャッターなどで適切に日射を防ぐことが、これからの日本の夏を乗り切るためには必須の手段だと思います。その上で、エアコンを適切に稼働させ、室温と湿度が上がりきるのを防ぐ工夫が大事になります。
一方で、高気密な家の冬場は、室内がやや「乾燥気味(過乾燥)」に陥りやすい傾向があります。
有効な対策としては、加湿器の使用で湿度を40%〜60%に調整すること。また、洗濯物の室内干しをしたり、お風呂上がりに浴室の湿気をあえてお部屋側に戻してあげたりといった、ちょっとした生活の工夫で過乾燥を防ぐことが、ご家族の健康面(風邪予防など)においても大切になってきます。
……と、今回は普段より良い成績が出たので、思わず話題の生成AIに「C値0.17の価値」について聞いてみたところ、
“日本の住宅性能において極めてハイレベルなトップクラスの超高気密住宅ですね”
“一般的な高気密の基準を大幅に下回り、気密性に定評のある大手ハウスメーカーの平均値やZEH基準も凌駕する驚異的な数値です”
などなど、ものすごい勢いで光栄な称賛を浴びてしまいました(汗)
AI相手に何をやっているんだか……と思いつつも、自分たちの施工へのこだわりがこうして客観的な数字と評価で証明されるのは、やっぱりつくり手冥利に尽きるものです。











