皆さんいかがお過ごしでしょうか。
2〜3日前より秋雨前線が南下し秋晴れとなりました。地面付近の熱が奪われる放射冷却現象が強まってめっきり過ごしやすくなりましたが、朝にかけては冷える見込みですので、暖かくしてお休みください。
今回からは、ニュースレターでご紹介している物件の最適解を導くための方法論を広く皆様にもご紹介したいと思います。
それでは、今回を合わせ3回にわけてご紹介いたします。
土地探しからスタートされたご家族4人の3階建てUD邸のお住いです。
・敷地は大阪市内上町台地の谷地形で、歴史ある建物や町並みを活かしたセンスの良いリノベーション店舗が点在する人気のエリアに位置し、西側に道路・南側には長屋に繋がる専用通路、道路と同レベルの有効宅地約25坪で、住居系地域の準防火地域に指定された土地です。
ご要望は
・防犯対策
・プライバシーの高いリビング・ダイニング・キッチン
・室内干しスペースがほしい
・駐車スペースと駐輪スペース4台
・家族の洋服をまとめてしまえるファミリークロークがほしい
上記要望をキーワードに、
西側6M道路、南側隣地には3階建て、北・東側隣地には将来3階建てを見据えた中で、特に防犯・プライバシー・日射取得を考慮し、北側から東側にかけて階段・水廻り・寝室を配し、開かれた南西側にはオーバーハングした大きな吹抜(LDK)を持たせたプランとして計画をスタートさせました。
計画の課題及び提案
1.有効宅地約25坪に駐車・駐輪スペースを含めたゾーニング計画
2.防犯を考慮した窓配置計画
3.隣地に3階建てがある場合の日射取得提案
検討を重ね最適解に至った方法論ですが、
1ー1.コンパクトな敷地及び建物形状の場合には、次の方法でゾーニング計画を進めます。要望から生活動線を考慮し、階に諸室を割り当てます。そこで諸室に必要な面積を算出し階毎に小計し、上下階の面積バランスを確認しながら諸室の大きさを再配分します。諸室配置を行う上で注意したいポイントの一つに、3階建てでは特に上下階の柱・耐力壁配置を揃える必要があります。

次回は計画の課題1-2.最終案の諸室配置計画についてお伝えさせて頂きます。
※オーバーハング(上部構造が下部よりせり出した状態又は張り出した部分のこと)
※ゾーニング(計画上のプロセスの一つで、空間を機能や用途別にまとめて必要な空間の大きさを設定し、相互の関連を見た上で位置関係を決定する設計手法です。)
※耐力壁(建築物において地震や風などの水平荷重(横からの力)に抵抗する能力をもつ壁)