こんにちは、設計の古橋です。
夏季休暇が明けて早1週間、意識はすっかり今年度の後半戦モードへと切り替わっていますが、
今回のブログでは休暇中の体験を振り返ってみたいと思います。
大阪の猛暑と喧騒から逃避を図るべく、選んだ行き先は軽井沢です。
西沢立衛さん設計の『千住博美術館』があることを思い出し、宿はその近くに取りました。
旅行と建築探訪をセットで考えるのは、建築業に従事する者の性かもしれません。
どこを切り取っても面白い空間が広がっています。
高低差のある敷地に1枚の布を広げ、そのまま垂直にボリュームを立ち上げたかのようで、
最大3mの高低差があるものの、床面も屋根も段差のない緩やかな勾配で処理されています。
そこに、平面的に見るとフリーハンドで描いたような円形が刳り貫かれ、採光のほか、
美術品に引けを取らない植栽を鑑賞できる計画になっています。
一見、金沢21世紀美術館の一角と見紛えますね。
西沢立衛さんは妹島和世さんとの建築家ユニット「SANNA」として、金沢21世紀美術館の設計も手掛けています。
絵画に植栽に建築と、重層的に風景が形成され、
また幾人の来館者が自由にゆらゆらと鑑賞することでその風景に変化が生まれ 、
本来限られた空間が無限に移ろう茫漠たる空間に思えて目眩がしてきます。
ずいぶん長い時間滞在していたと思いますが、
様々に回遊してようやく気が済むとお腹が空いていることに気がついて美術館を後にしました。
この建築探訪以外はノープランでしたが、気ままにサイクリングや食事、
キャンドルナイトや露天温泉など、涼しく自然豊かな場所でのんびりと休暇を過ごすことができました。