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皆さん、いかがお過ごしでしょうか。
先日、八尾市に改修工事のためOB宅に向かう途中、駅前のある建物を見学してきました。
 
今は亡き建築家黒川紀章氏設計のミキハウス本社ビルです。
 
黒川氏は、東大の丹下健三研究室に所属し指導を受け、世界的に有名な建築家であることは皆さんもご存知だと思いますが、
数多くの都市計画も手掛けられた中でカザフスタンの新首都もプロデュースされていました。
 
建築では、中銀カプセルタワービル、代々木の国立新美術館、現存しませんが大阪のソニータワー、大阪府警本部、国立文楽劇場など有名な数多くの建物も設計されました。
 
ミキハウス本社ビルは、逆円錐型の全面ガラスのアトリウムが特徴的な人の目を引きつけるモダンな建築です。
大きな建物ですが東西南北面は表情が異なり見応えがありましたが、価格はなんと100億円もかかったそうです。
 
さて今回はニュースレターでご紹介した、『日向ぼっこができる読書スペースがある家』全2回の
計画課題.1の最適解を導くための方法論についてご紹介したいと思います。
 
土地探しからスタートされたご家族4人の2階建てのお住いです。
 
敷地は東側に4M道路・南側に5M道路で北側隣地とは約2M程の高低差があり、第1種低層住居専用地域に指定された約40坪の土地です。
 
ご要望は   
・本棚は書庫ではなく家のあちこちにほしい
・日向ぼっこ+座れる場所がたくさんほしい
・外からの視線が気にならない工夫が必要
 
初期案として上記要望をキーワードに、吹抜を中心に家事動線を最短で纏めながら回遊する動線と家族のさまざまな居場所づくりのために縁側をもつ家をコンセプトに計画をスタートさせました。
 
 
計画の課題として
 
1.南東角の敷地で1階にパブリックスペースを設ける際、外からの視線が気にならない方法は?
2.日向ぼっこ+座れる場所はどんな工夫で提案すれば良いか?
 
 
検討を重ね最適解に至った方法論ですが、
 
1.プライバシーに配慮したゾーニング計画をバランスよく行うことが必要になります。
 
南東角には玄関・トイレ等、北東角にはリビング、南側にはダイニング及びキッチンの領域とすることでプライバシーを守りつつ、日射取得が可能となります。
 
北東側リビングは、東面にハイサイドライトを使いプライバシーを守りつつ、圧迫感を緩和させる為北面に小庭を作り地窓でヨコ方向の抜けがあることで落ち着いた癒しの空間を演出しました。
 
また南側ダイニング及びキッチンは、駐車スペース及び玄関アプローチで道路からの奥行きを作ることでプライバシーに配慮しています。
 
通りからの視線が気になり大きな掃き出し窓の雨戸を閉じても吹き抜けからは、陽光が降り注ぎ明るく開放的です。
夜間も同様に雨戸を閉じていても可動ルーバー雨戸がプライバシー及び防犯性を高め、中間期・夏期の通風を利用して昼間に溜まった熱を排出し、安心して快適に気持ちよく過ごすことができます。
 
冬期においては共働きのご夫妻が帰宅された際、日中に吹き抜けから日射取得したパブリックスペースのリビングダイニングキッチンは、温められ高断熱高気密のおかげで熱損失が少なくエアコンでも短時間で温熱的に快適な空間が得られ、疲れた身体を優しく空間が包み込み癒され、建物が性能で家族の健康面を担保できればと提案しました。
 
 
※パブリックスペース(家族の共有スペースやお客を通す場所、リビング・応接室・ダイニングなど)
※ゾーニング(計画上のプロセスの一つで、空間を機能や用途別にまとめて必要な空間の大きさを設定し、相互の関連を見た上で位置関係を決定する設計手法です。)
※ハイサイドライト(壁の高い位置に取り付けられた窓で通常の窓と同様、垂直に取り付けた窓・周辺環境を考えた場合、プライバシー・日射取得に効果的です。)
※可動ルーバー雨戸(風通しを確保しながら防犯も可能な可動ルーバーの通気型引込雨戸)
 
次回は計画の課題2.についてお伝えさせて頂きます。