ー心地よい光と風がさし込む、土間のある家ー①

2020年1月17日更新

こんにちは。チーフプランナーの千知岩です。
 
皆さん、いかがお過ごしでしょうか。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
 
ロードバイクでの仕事帰りに、気になっていた建物をご紹介したいと思います。
百貨店の高島屋東別館が浪速区日本橋にあるのは皆さんご存知でしょうか。
 
昭和初期に建てられてから増改築を繰り返し約90年が経過し、自社事務所と史料館として使用され、昭和初期の百貨店時代の設備が内部に多数残っている希少建築物です。
 
また2013年には大阪市より「生きた建築ミュージアム・大阪セレクション」に選定され、昨年3月には国の有形文化財にも登録されました。
 
この建物がまもなく1月20日に改装オープンされます。
高島屋史料館のリニューアルおよび外資系ホテル「シタディーンなんば大阪」が開業されます。
 
2016年に耐震工事が完了、昨年度2019年には躯体・外壁補修が完了し、外観は既存素材のテラコッタや意匠が残され、内装においても階段やエレベーターまわりの大理石やアールデコ調の装飾が生かされ、全面的に刷新されました。
 
希少な建物の一つですので、リノベーションのテーマである「変わらないのに、あたらしい。」を体感してみたいと思います。
 
みなさんもぜひ足を運んで見てください。
 
『高島屋史料館』
 
 
 
 
 
 
 
さて今回もニュースレターでご紹介した、『心地よい光と風がさし込む、土間のある家』全2回の計画課題.①と②-1の最適解を導くための方法論についてご紹介したいと思います。
 
 
土地探しからスタートされたご家族4人(2世帯)の2階建てのお住いです。
 
 
敷地は南側に8M道路・東側には2階建て長屋、北側には3階建住宅さらに西側には3階建の共同住宅に囲まれた40坪弱の旗竿敷地です。
 
 
ご要望は、
・2世帯住居のため1階に水廻りがほしい
・畳が大好き
・明るく温かいLDK
 
初期案として畳スペースを1.2階に作り、多用途に使用できる暮らしの提案をコンセプトに計画をスタートさせました。
 
 
 
計画の課題として
 
①.お母様の為の生活動線をいかに効率よく出来るか。
②.畳は使い方が限定されるため、使用頻度が少なく日常利用としてもったいないため、有効に利用できることを提案したい。
③.3方が住宅に囲まれた敷地で明るく温かいLDKは可能か、また今回の条件で1階も温かい居場所は作ることが出来ないか。
 
 
 
 
検討を重ね最適解に至った方法論ですが、
 
①.建物を間口約4M✕奥行約14Mの長方形にすることで旗竿敷地の北東部分に庭が確保でき、そこをお母様のお部屋より直接つながるデッキスペースとし、干場を兼ねるようにしました。
また水廻りはお母様のお部屋の周辺に集めましたが、気になるのは音問題の解決方法です。
生活スケジュールが異なる世代間で、洗面使用・入浴時間が異なりお母様の就寝中に使用してしまうと帰宅後ゆっくり入浴もできないなど、ストレスになる原因を作ってしまいます。
そこで寝室と浴室・洗面脱衣室との間にファミリークローゼットを作り音の緩和を図り、またお部屋から廊下を通る事なく浴室まで直接アプローチできる動線を確保し、室温の緩和も図りました。
洗面脱衣・浴室とお母様の寝室の間に緩衝帯になるファミリークローゼットを設けることで、音と室温差の問題も解決できることになり、気兼ねなくご家族が入浴を楽しむことが出きます。
 
 
②−1.畳が大好きなご家族への1階和室の利用方法ですが、寝室と玄関ホールを兼ねた提案です。
玄関は建物間口約4Mを全て土間とし、その奥に畳の4帖半の間と式台を設けた玄関ホールを作りました。
4畳半スペースの建具は特殊強化障子紙の太鼓張りとし天井まで作り、開け放てば2面開放され、玄関ホールとひとつながりになります。
土間から30センチ程度の高さで、腰掛けにもなり、楽な姿勢で靴を履くことにも最適で、リビングまではという御客様にはおもてなしの場として利用することが出来ます。
また1階でありながら土間空間・タタミスペースに差し込む明るさと暖かさで、家族のほっとする居場所の一つとなりそうです。
 
 
特殊強化障子紙の太鼓張り:戸や間仕切りで、骨組みの両面に紙や板を貼って中を空洞としたもの。内部は空気層が出来、断熱性能が向上します。
式台:玄関の土間と床の段差が大きい場合に設置される幅広の板のこと。蹴上(高さ)を低くし、土間から上がりやすくなります。
 
 
次回は計画の課題②−2、2階和室の利用方法・計画課題③についてお伝えさせて頂きます。

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