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さて今回は『六甲山の麓に建つ、切妻屋根の家』第3回、計画課題.②−2の最適解を導くための方法論についてご紹介したいと思います。
 
 
土地探しからスタートされたご家族の2階建てのお住いです。
 
敷地は神戸市の中央区、9行政区のうちの一つでほぼ中央に位置し、六甲山地と神戸港を有し、地理的な条件に恵まれた街で、異人館、神戸ルミナリエ、近代建築の旧居留地、中華街、メリケンパーク、神戸ハーバーランド、ポートアイランドなど皆さんもご存知の素敵な街です。
計画地は東に道路、道路は北から南へ約1Mほど傾斜のついた第1種低層住居専用地域に指定された約45坪の東西に長い土地です。
 
 
ご要望は
・帰宅時の効率的な家事動線・回遊動線
・室内物干し(花粉対策)
・寝室内ではない読書スペースを設けたい
・キッズスペース
・奥様のワークスペース(ピラティス)
・パブリックとプライベートスペースをきっちり分けたい
・玄関から収納を経由し、キッチンまでの動線
 
 
計画の課題及び提案
①.土地利用計画と家事動線に配慮したゾーニング計画
②.北側斜線(高度地区)の高さ制限がある中、太陽光発電パネル
の搭載は可能か?
 
 
検討を重ね最適解に至った方法論ですが、
②−2.前回は北側斜線さらに高度地区制限のために、屋根形状が北傾斜の片流れ屋根になってしまい、太陽光発電パネルが搭載できないことをお話しました。
今回はどのような方法で太陽光発電パネルを搭載し、ファサード・内部空間を整えたかをご説明いたします。
太陽光発電パネルの最適な傾斜角及び方位角についてですが、
傾斜角については、発電に一番効率的なパネル傾斜角度は約30°です。
屋根勾配は、3寸勾配で約17度、4寸勾配で約22度、6寸勾配が約31度ですので最も効率が良いと言えます。
さらに方位角では、最も発電量が多いのは南面ですが、南面を0度として45度では約5%程度低下し、90度の東・西面ではさらに約10%程度発電量が低下しますが、設置状況によってはあえて最適角度にしない方法を取る場合もあります。
例えば朝の7時に発電量のピークがあるようなご家庭であれば、南よりも南東の方が自家消費率を上げられ、長期的にはお得になる場合もあると考えられます。
いずれにしても南面での発電量が最も発電効率が良いのと北側斜線制限がある為、なんとか道路から向かってシンメトリーな切妻屋根を作り出せないかを検討しました。
まず屋根は切妻屋根形状とし空間を最大限確保するために、北側斜線勾配に合わせた6寸勾配の屋根としました。
高さを抑えるので室内空間に圧迫感ができてしまう為、2階の室内空間にいくつかのアイデアで圧迫感の解消に努めました。
建物を北側に寄せながら北側斜線制限と太陽光発電パネルを南面の屋根に搭載する、シンメトリーな屋根形状だと南北面の外壁で天井高が1.65Mとなり、家族が立てないくらいの高さになってしまいます。
寝室においては全てのお部屋に勾配天井を採用し、1.65〜2.6Mの天井高さで圧迫感を解消、書斎はデスクを外壁側に配置し、より落ち着いた空間にしました。
階段は南面に踊り場を設けた折り返し階段とすることで、踊り場の高さは3Mほどの天井高さを確保でき、高さを生かした大きな空間が生まれます。
また吹抜けを囲むように隣接するキッズスペース(ホール)・廊下・階段は、南側外壁面の高さ1.65Mから2.17Mの勾配天井であえて低めの天井高に設定し、全体に天井高を抑えながら吹抜けの縦方向の抜け、そこから繋がる大きな開口で水平方向の視線の抜けなどを空間の中に設けることで、高さを抑えた落ち着いた雰囲気でありながら気持ちの良い空間を作ることができました。
上記のように空間のみならず、東側のファサードも意識しながら様々な検討を行うことで、落ち着いた佇まいとなり、ご家族の愛着に満ちた家になってほしいと思います。

 

◼完成見学会イベント情報
https://www.fukuda-lld.jp/events/?e=upcoming&p=18822&post_id=18822