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さて今回は『ボイドを備える2間間口の家』第3回、計画課題.②の最適解を導くための方法論についてご紹介したいと思います。
 
【前回のブログ】
計画課題①-2.
 
 
愛着のある土地で家づくりをスタートされるご家族の3階建てのお住いです。
 
 
敷地は大阪市東部に位置し、近年では区の西・北部に高層マンションの建設が進み、ファミリー層には住みやすい環境の街です。
皆さんもご存知の牛乳石鹸・タカラスタンダード・ハナテンなどの企業が本社を置いています。
計画地は北側に道路で、対側に10階建てのマンション、東側に3階建て、西側は分譲住宅予定地、南側は5階建ての建物に囲まれ、準工業地域に指定された間口4M弱の南北に長い約21坪の土地です。
 
 
ご要望は
・家事など効率的な動線
・吹抜けなどあると寒いイメージがあり、あったかい家で過ごしたい
・希望しているキッチンをペニンシュラ配置でスッキリ暮らしたい
・明るいダイニング・リビングから緑が見たい
・リビングは吹抜けとつながる空間
・デッキとは別で洗濯物を干したい
・寝室・子供部屋からアクセスできるファミリーCLが欲しい 
 
 
 
計画の課題及び提案
①.土地利用計画と家事動線に配慮したゾーニング計画
②.南側に5階建が建ち、日射取得が期待できない中、明るい室内は実現可能か?
 
 
 
検討を重ね最適解に至った方法論ですが、
②.計画地周辺は東側に3階建て、西側も3階建てがまもなく建設予定、南側においては5階建てが敷地境界線に近接しかつその建物は数軒をまたぐように建っている為、ほぼ冬期は日射熱を建物内に取り込むことが困難でした。
パッシブデザインは太陽の光や熱、風といった自然の恵みを上手に採り入れることで、エアコンなどの機器をなるべく使わず快適に暮らすことを目指した設計です。
皆さんにお伝えしている5つの要素(断熱・通風・日射遮蔽・昼光利用・日射熱利用)全てを満足させないとパッシブデザインができていないという訳ではありません。
日射熱利用のみが敷地条件で叶わないだけですので、昼光利用・通風と特に日射遮蔽に特化しながら計画を行いました。
高性能な窓でも性能値は屋根・壁に比べると1/6〜1/7程度しかありませんので、昼光利用・通風に対しての窓以外を極限まで面積を減らすことで、性能値は上がります。
いわゆる断熱性能が上がるため、使用するエネルギーの削減にもつながります。
ただ性能は上がったが建物内部が暗いと気持ちの良い空間とは言えませんね。
そこで、昼光利用を最大限活かす方法を考えた場合に以下の選択肢があります。
一つ目は大きな吹抜けを作る、二つ目は大きな中庭を作る、前者では周辺の建物に囲まれているため屋根にトップライト(天窓)を設けても下階へと光を導くには、吹抜けの屋根に天窓を取り付けるくらいでは充足しないことと大きすぎる吹抜けでは、冷暖房負荷も大きくなり室内環境に影響を与えます。
そこで後者の屋根が空いている中庭(void)の選択ですが、いわゆる3方の壁で囲まれた空間です。
さらにもう一つのボイド(void)を室内に作り、拡張voidにしてより下階へ明るさを届けることを考えました。
そのボイドとは階段で、素材をスチールで作り蹴込みをなくし、できる限り断面積を小さく作ることで明るさを下階へ届け、玄関まで明るさが届く想定で風除室となる玄関と階段室の取り合いにはガラス面積を大きくした造作扉を設えました。
結果単調な箱の空間に変化を作り、リビング・ダイニング・キッチン空間には階段によるボイド(void)上下の抜け、さらに中庭(void)がつながる奥行きが生まれ、想像以上の気持ちよさがもたらされることになったと思います。
 
今回が今年最後のブログになります。
現在コロナ禍で不安な日々を皆様お過ごしかと思いますが、来年は皆様にとって良い年となりますようにどうかご自愛ください。
私たちは本年以上に来年もより一層、安心で快適な住宅づくりに邁進してまいりますので
どうぞよろしくお願いいたします。
 
 
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