ー職住が共にある下屋をもつ南生駒の家ー②

2021年8月31日更新

さて今回は『職住が共にある下屋をもつ南生駒の家』第1回、計画課題.①−2の最適解を導くための方法論についてご紹介したいと思います。
 
 
土地探しからスタートされたご夫妻の2階建てのお住いです。
 
計画地は西及び東側にそれぞれ6M・16Mの道路があり、南北に繋がる分譲地です。
敷地高低差が3M、北側にはサイドアプローチの住宅、南側は近隣の方が分譲地を一時的に畑に利用、真北は北側の住宅から23度ほど西側道路側に傾斜した、第一種低層住居専用地域に指定された敷地は整形な約75坪の傾斜地です。
 
 
ご要望は
・リビングは広く、テレビ中心じゃない生活(インテリアから間取りを決めたい)
・キッチンダイニングとは繋がりつつも空間的には分けたい(LDKが真っ直ぐ続く間取りはNG)
・コンパクトで落ち着くダイニング
・キッチンはクローズでもオープンでもない程よい空間
・洗面はランドリールームを兼ねた広めの空間に
 
計画の課題及び提案
①.土地利用計画と家事動線に配慮したゾーニング計画
②.2面道路で3Mの高低差がある敷地でのプライバシーの確保とコストダウン提案
 
 
検討を重ね最適解に至った方法論ですが、
①−2.前回は南東面の幹線道路に対して建物を真南に配置する計画をお伝えしました。
軸線がずれ、周辺建物の窓からは少なからず直接向かいあう窓がなくなりプライバシーにも配慮しました。
 
今回はゾーニング計画をお伝えします。
 
ご要望からアトリエおよびリビング・ダイニング・キッチンを1階に、2階においては土地利用を考慮した面積配分から水廻りを提案し、寝室・ウォークインクローゼット・将来の子供部屋としました。
 
構造架構のシンプルさとマッシブな佇まいを目指し、上記の諸室面積を算出して1・2階に振り分け、北側に2階建て+下屋として検討しました。
 
面積配分から下屋は開放感を必要とするアトリエと落ち着いた空間となるよう最も玄関から遠い部分にリビングを設けました。
 
北棟2階建ての1階は、2階建てに取り付く下屋で明るさが確保できなくなるため玄関・トイレ・階段とキッチン・ダイニングを配置しました。
 
 
では明るさと暖かさを両立できるよう下屋の配置を検討していきます。
 
 東面および南面には十分な日射取得が得られるよう2階建て棟に、朝の陽光を取り込めるキッチン・ダイニング、階段を南西角・玄関を西側道路中央からアプローチできる北西角に配置しました。
 
南西角を中心とし、西側にアトリエ・南側にリビングを下屋として配置することで、2階建て棟のダイニングを南東角に配置し、午前中の日射取得が可能となります。
 
リビングにおいても2階建棟から下屋を西側にずらす事でダイニングと共に南東角を作り出し、終日日射取得が実現できました。
 
 
 
さらに階段は下屋が上屋に接続する形になりうす暗い空間に思えますが、階段はVOID(竪穴)になっており、建物全体ではちょうど中心部分になりますが、冬期においても明るさと暖かさが、午後より上部から差し込むよう立体的な日射取得を考えた計画としました。
 
 
次回は計画の課題②.2面道路で3Mの高低差がある敷地でのプライバシーの確保とコストダウン提案についてお伝えさせて頂きます。

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