ー中間領域と下屋を持つ北生駒の家ー②

2021年12月25日更新

さて今回は『中間領域と下屋を持つ北生駒の家』第1回、計画課題.①−2の最適解を導くための方法論についてご紹介したいと思います。
 
 
土地探しからスタートされたご家族4人の2階建てのお住いです。
 
計画地は南側に6Mの道路、敷地高低差は約1.0M、外壁後退1.5M、隣接する2階建住宅に囲まれた第一種低層住居専用地域に指定された整形な約70坪の土地です。
 
 
ご要望は
・飽きのこないロングライフデザイン
・年を経てもかっこいい家
・リビングと庭の間の空間を大事にしたい
・リビングと繋がって大空間となるように
・ダイニング近くにスタディコーナー
・1階に水廻り動線
・帰宅してまずは入浴の動線
・寝室は朝日が入るように
 
計画の課題及び提案
①−2.土地利用計画と家事動線に配慮したゾーニング計画
②.プライバシーの確保と終日日射取得の両立
 
 
 
検討を重ね最適解に至った方法論ですが、
 
①−2.前回の土地利用計画から今回は家事導線に配慮したゾーニング計画をお伝えさせて頂きます。
 
本計画地でまず最初に検討したいのは、一番気持ちの良い場所を探しLDKをどこに配置するかです。
 
その部屋は天井が高くて開放的な場所、外へ出られ食事も楽しめるダイキングキッチン、次にリビングはダイニングと対照的に天井高を押さえながら住まいの中で最も落ち着いた雰囲気を設えるためダイニングの上部への解放感と対照的に、奥行きと抜けを作るために畳コーナーから先に中間領域を作ります。
 
同時に建物配置の段階から、建物内部から何を見るかも合わせて検討する訳ですが、ダイニング・リビング共に四季を感じられる樹木で、ダイニングはウッドデッキに手を触れられるくらい近くに配置し、リビングからは奥行きと抜けを感じてもらうために軒下の中間領域の先に配置、また浴室からは将来植樹可能なようにバスコートのスペースを確保しました。
 
 
それでは1階のゾーニング計画からご説明します。
 
建物は前回の配置計画で変則のL型、1階は北側に東西に長い2階建と南東側の下屋に分けました。
1階は、水廻りを集約したいことと玄関から浴室へのバックヤードへの動線が要望にありましたので、北側にファミリークローク→トイレ→洗面→ランドリールーム・脱衣→浴室→バスコートをゾーニングしました。
 
また里山住宅博での弊社モデルルームの雛壇階段も要望にありましたので、玄関から東へ→折返し雛壇階段→ダイニング→キッチン・パントリー、さらに南へリビング→畳コーナー→中間領域へのゾーニングとし、ダイニングから洗面への動線を作ることで水廻りの機能的な回遊動線が提案できました。
 
階段とダイニングがつながる上部への開放的な気持ちの良い吹抜けと、低い勾配天井のリビングと畳コーナー、中間領域につながる壁のない奥行きの抜け感は、平面上で繋がった空間ではあるものの全く違う空間が演出でき、耐震等級3にもかかわらず耐震上安心で壁の少ないSE構法によるものです。
 
 
次に2階のゾーニングですが、2階は1階の玄関・水廻り・階段・ダイニング・キッチン上部になります。
 
南面の中央に配置した階段・吹抜けを囲むようにお部屋を配置しました。
 
東側には朝日が差し込み、家族全員で就寝するためのベッドが2台配置できる主寝室と、北側にウォークインクローゼット、時計回りにトイレ、北側には明るさが終日均一な将来2部屋に分けることができるコンパクトな子供部屋、南西の角には書斎を配置しました。
 
2階のコンパクトなお部屋は、窮屈感を緩和するために廊下の天井を低く抑え、部屋に入ると天井を屋根形状に合わせた勾配天井にすることで圧迫感が緩和されます。
次回は計画の課題②.プライバシーの確保と終日日射取得の両立についてお伝えさせて頂きます。
 
 
 
本年も残すところわずかとなりましたが、今回で最後のブログになります。
コロナ禍でまだまだ以前のような日常には戻ることがりませんができませんが、来年こそは皆様にとって良い年となりますようにどうかご自愛ください。
私たちは来年もより一層、安心で快適な住宅づくりに精進してまいりますので
どうぞよろしくお願いいたします。

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