ーデッキテラスのある北生駒の家ー①

2022年8月5日更新

さて今回は『デッキテラスのある北生駒の家』第1回、計画課題.①−1の最適解を導くための方法論についてご紹介したいと思います。
 
 
土地探しからスタートされたご家族3人の2階建てのお住いです。
 
 
計画地は1990年代に近鉄不動産により開発された新興住宅地で、駅から程近い街区です。
南側に6M道路、敷地と道路の関係は約1Mほどの高低差、周辺はプライバシーを考えられた1.5〜2.0Mほどの石積擁壁による高低差がある、外壁後退1.5Mの第1種低層住居専用地域に指定された約70坪の土地です。
 
 
ご要望は
・SE構法で広々とした開放的な空間づくり
・薪ストーブでくつろげる空間
・パッシブデザインを取り入れられた自然と調和した家
・南東方向の眺めを大切にしたい
・LDKで一緒に過ごしたい
・子供が2階で過ごしていても気配が感じられるように
・各部屋に計画された収納スペースが欲しい
 
 
 
計画の課題及び提案
①−1.土地利用計画とゾーニング計画
②.プライバシーの確保と終日日射取得の両立
 
 
検討を重ね最適解に至った方法論ですが、
 
①−1.今回の計画地は、ゆとりある敷地であるがゆえ道路・敷地及び周辺敷地との高低差及び外構部分に占める面積が大きいことから造成・外構工事費を抑えるべく検討に入りました。
 
 
 
【周辺状況他】
敷地は、南北に約15M、東西に16Mのほぼ整形な土地。
 
敷地と道路の高低差がある南道路側は南西が約50センチ、南東で1.5Mの自然石積みによる高低差があり、約6%の勾配がついた6M道路です。
 
道路を挟んだ対側の住宅は、比較的新しく建て替えられた住宅、外構はオープンな空間で通りからは開放的な作りになっています。
 
それでは隣地の状況ですが、高低差のある敷地の場合は、敷地の安全性の観点から予算を圧迫する要素がないか状況を確認しました。
 
西側隣地は、高低差が1.5Mあるものの堅牢な間知石積擁壁に見てとれ、境界線に沿って擁壁からの排水処理のため側溝が整備されています。
 
北側は、2区画の敷地に面し約1.5Mと約2Mの間知石積擁壁の高低差があり、境界付近には排水設備がないため最低透水管での対処は必要と考えられます。
 
東側においては、コンクリートブロックに見える高さ1.0Mの高低差、道路際では1.5Mほどの高さになっており、法令上の違反に見受けられました。
 
敷地の安全上、隣接地との高低差をどうするべきかまた既存建物解体後どう処理・対策するのか現地を確認しました。
 
1M高低差のある境界付近の工作物はコンクリートブロック積ではなく、水抜き穴が規定通り設置してあるところを見ると型枠CP(コンクリートブロック内にコンクリートを流し込む)擁壁の想定ができました。
 
また道路際のコンクリートブロック塀は、1.5Mほどの石積みを撤去後境界際の同塀も撤去してしまうと、境界沿いの側溝内に土が流出してしまう恐れがあるため、規定内の高さ1.2Mの高さに抑えれば安全上支障がないことが確認できました。
 
 
 
 
【建物配置検討】
それでは、上記の周辺状況から土地利用計画のアプローチ・庭・建物をどのように配置していくか検討しましょう。
 
まず建物配置制限についてご説明します。
用途地域から第1種低層住居専用地域は、外壁後退線があり外壁後退距離が1.5Mです。
もう一つ配置に関する規定として隣接地の敷地高さにおいて2Mを超える高さの場合、がけ条例での規定で隣地高さの2倍の距離を開ける必要があります。
 
東側においては、地盤調査の結果により設計地耐力が十分にある地盤の場合には、安息角から建物を外壁後退以上の配置をすれば、地盤調査結果においては高低差に合わせた特殊基礎ではなく、一般基礎とすることができます。
 
上記から建築確認済証提出先の民間機関への確認・協議を行うことで、外壁後退距離並びに東側の安息角、北側がけ条例で建物配置が決定し、建物の裏の顔部分に設備機器(室外機・給湯器等)配置計画を行います。
 
では、次に駐車・駐輪スペースからアプローチ・庭の作り方についてです。
 
敷地はゆとりある70坪の敷地で、南面となる建物の間口及び庭が十分に確保できますので、敷地高低差の少ない50センチの西側から駐車スペース2台+アプローチとします。
 
西側駐車スペースの境界側には、屋根を設け延伸し後部に駐輪スペースです。
 
アプローチは、建物の西側端部を見るような視点でアプローチし、建物に重ねて樹木を配置し、アプローチからの敷地高低差60センチほどは無機質な工作物は造らず法面で形成し、ステップも含めて土・石・緑で有機質なアプローチを提案します。
 
最後に駐車スペース・アプローチから東側の庭についてですが、縁側のような奥行きのデッキスペースを作り、ダイニングの先にはデッキスペースから高低差のない野芝のテラス、庭全体の高低差は自然石で土留を行いながら地盤を形成し、敷地高低差を利用して低めのウッドフェンスでプライバシーを守ります。
 
道路面の敷地高低差においても法面を活かして土・石・砕石・緑・樹木等で地域にも開かれた庭を作りたいと考えています。
 
 
次回は計画の課題①−2.ゾーニング計画についてお伝えさせて頂きます。

 

 

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