ーパッシブZEH・福島の家ー①

2023年4月29日更新

さて今回は『パッシブZEH・福島の家』第1回、計画課題.①−1の最適解を導くための方法論についてご紹介したいと思います。

 

建て替えによるご家族3人の2世帯住宅の完全分離タイプのお住いです。 

計画地は淀川の河口に位置し、再開発のほたるまちには朝日放送本社他、駅周辺には曲がりくねった通りに小規模なレストランが多数ある人気のエリアです。

東側6M道路で敷地と道路はほぼフラット、周辺建物が密集する近隣商業地域で準防火地域に指定された整形(東西に長い)の25坪弱の土地です。

 

ご要望は
・ビルトイン駐車スペース
・食事が楽しめる広いバルコニー
・ゆったりとした階段
・収納スペースを余すことなく利用したい
・できるだけ日当たりよくしたい

 

計画の課題及び提案
①−1.土地利用計画とゾーニング計画
②.プライバシーの確保と終日日射取得の両立

 

検討を重ね最適解に至った方法論ですが、
①−1.今回の計画地は整形な敷地である中で、周辺状況、東側道路でどの方向に開き、閉じるか、1階への日射取得、駐車・駐輪スペース、玄関・アプローチの土地利用計画を検討します。

 

【周辺状況他】

敷地は東西に長い3区画分譲地だった1区画で、東西方向に約12M、南北に6.5M、敷地と道路の高低差はほぼフラットです。

南側は45センチほど境界からの離隔距離があり総3階建て、北側は境界ギリギリに総3階建てが敷地いっぱいを使い建っています。

道路側の東側には9階建ての共同住宅が、さらに計画建物から北東にあたるエリアに11階建て共同住宅が着工の予定をしています。

西側隣接地は、2階建及び3階建てが密集して立ち並んでいます。

このような状況からまずは建物配置をどうするべきか検討に入りました。


【建物配置及び建物形状検討】

周辺住宅が密集し、北及び南の両隣接建物が3階建ての中、明るさを住宅内に届けるため、
敷地配置及び建物形状の検討に入りました。

真北方向については、東側道路軸の角度とほぼ同じです。

それでは建物配置に至るまでを以下の順に沿って検討していきます。

 

①敷地を読む

建物の背中を決め、水廻りの配置
道路からのアクセス位置(アプローチ)を決める

②コンセプトを作る

③駐車・駐輪スペース・樹木位置を検討

車は安全に配置し、樹木を植える場所を決める

④建物のボリュームを検討

面積算定し、ゾーニング

⑤シミュレーション

デッキ、アクセスの設え、馴染ませる

 

 

①敷地を読む

計画建物は、既存建物にできるだけ近い大きさで敷地を余す事なく使いたいため、周辺の状況を正確に掴み道路に対して間口方向を決めることから始めます。

北側隣接地は建物が境界いっぱいで離隔距離がほぼなく建っている為、外壁の断熱施工を含む工事をギリギリで行える寸法の約35センチ程度で外壁ラインを想定し、給湯器はアルコーブ形状にして納め室外機は、ビルトインガレージスペースの境界側壁を一部開口にして設置の想定も行っておきます。

南側は、約45センチづつ互いの建物が後退し隣接建物奥の駐輪スペースへの通路になっており、そこに雨水、汚水、雑排水を集約し工事施工が可能なように想定しますが、室外機を設置すると邪魔になりそうです。

西側は、隣接建物が2件分あり隣棟間の空地も相まって上空からの明るさが

ボイドになり、1階への明るさを唯一望めそうです。

東側において、両隣は駐車スペースがあるものの外壁ラインが道路付近まであるため、計画地は敷地を有効に境界いっぱいまで使用したいが通りへの圧迫感をなくす配慮はしたいところです。

 

②コンセプトを作る

今計画において、敷地形状・周辺環境からパッシブデザインが難しいのではと想像される方もいらっしゃるのではないでしょうか。

パッシブデザインは、郊外型で敷地にゆとりがあり太陽熱を十分に取り込み活かすことができる物だけではありません。

狭小地であるが故に検証を重ね、どの時間帯にどれだけの日射量があるか徹底的に確認します。

そこで日射量から暖房負荷を補うため、都市型の断熱性能を引き上げエネルギー損失を抑えます。

性能の設定について詳細は、ホームページでご覧ください。
https://www.fukuda-lld.jp/system/grade/

 

ホームページリニューアルから1棟目のプレゼンテーション物件として、1階は将来の賃貸契約も視野に入れながら、
2階・3階の世帯に対してZEH提案を行いエネルギー消費を抑えながら創エネでリアルZEHを目指し、
記念すべき第1棟をパッシブZEHの家として今回のコンセプトとしました。

 

③駐車・駐輪スペース、樹木位置を検討

駐車スペースは、乗降のしやすさを考慮して奥の計画住居側へのアプローチに運転手側のドアとなるよう配置しました。

ただアプローチは、1階床高さまでステップが2段必要ですので道路面でアクセスしてしまうとドアの開閉に支障が出るため、2段目のステップは運転席のドアから奥にステップを作ることで車両のスムーズなドア開閉を解消します。

サイズ感はアプローチを含めた間口芯々3,640×奥行き6,370で、後方のハッチバックも開閉がスムーズに行えます。

駐輪スペースは、2階のバルコニー面から1階外壁面を後退させて駐輪スペースを作ります。

また日常使用しない自転車は、駐車スペース後方に配置。

樹木配置について、

外構面積がほぼない状況で、駐車スペース以外に空地が若干ではありますが残るため、限られた部分にコンクリートではなくできる限り樹木を配置します。

雨露が少しでも当たるところであれば、狭い空間であっても四季を感じられる落葉樹を植樹したいと考えています。

それが難しいようであれば、道路から建物までの空地に無機質なコンクリートではなく、土を残して石であったり地被植物などで通りに対して配慮

したいと思います。

次回は計画の課題①−2.建物のボリューム検討からゾーニング計画についてお伝えさせて頂きます。


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