基礎工事について①

2025年7月5日更新

基礎工事についてのご紹介

こんにちは。設計チーフの千知岩 賢二です。今回は、お住まいの「基礎工事」について、当社の考え方と施工方法をご紹介いたします。

 

基礎の種類と当社の採用方針

木造住宅の基礎には、大きく分けて以下の2種類があります:
  • 布基礎 建物の外周と一部の内側にコンクリートを打設する方式。コストは比較的抑えられますが、地盤が弱い場合には不安定になりやすいという欠点があります。
  • ベタ基礎 建物の床下全面を鉄筋コンクリートで覆う方式。建物の荷重を面で受け止めるため**不同沈下(建物が不均一に沈む現象)**が起きにくく、耐震性・防湿性にも優れています。
当社では、住宅性能の安定性を重視し、ベタ基礎を標準採用しています。

 

ベタ基礎の施工方法:一体打設と2段階打設

ベタ基礎は「ベース(床部分)」と「立ち上がり(壁部分)」から成り、施工方法は次の2種類があります:

■ 一体打設

ベースと立ち上がり部分を同時にコンクリート打設する方法です。
  • メリット ・工期が短縮できる ・打ち継ぎ部分がなく、ひび割れや水の侵入リスクが低い
  • デメリット ・型枠の調整やアンカーボルトの位置出しが非常に難しく、施工精度の確保が難しい

■ 2段階打設

まずベース部分のみを打設し、**養生(コンクリートの硬化を待つ期間)**を経てから立ち上がり部分を施工します。
  • メリット ・立ち上がりの型枠やアンカーボルトを丁寧かつ確実に施工できる ・結果として、施工管理の精度が高まる
  • デメリット ・2回に分けて打設するため、工期が数日延びる ・ベースと立ち上がりの接合部が一体化しにくく、防水性に配慮が必要

 

当社が2段階打設を採用する理由

当社が採用している「SE構法」では、地震時の大きな揺れにも耐えるために、接合部の高い精度と強度が求められます。そのため、以下のような構造・施工方針を取っています:
  • SE金物(専用接合金物)とM20の太径アンカーボルトを使用し、基礎と柱を強固に一体化
  • アンカーボルトの施工精度も厳格に管理 ・高さ:−5mm〜+15mm以内 ・芯ズレ:10mm以内
これらの精度を確保するには、2段階打設が最適であり、当社ではそれを標準としています。
 
出典:NCNホームページ
https://www.ncn-se.co.jp/large/se_construction/耐震構法se構法の柱脚や接合部が強い理由はse-金物
 
また、ベース打設後には公的な仕様書(公共建築工事標準仕様書)・SE構法基礎構造標準仕様書に基づき、振動や衝撃を与えずに24時間以上の養生期間を取るなど、慎重に工程を進めています。

 

止水対策:ベントナイトによる補完

2段階打設において懸念されるのが「打ち継ぎ部分からの水の侵入」です。当社ではこの点についても、**「ベントナイト止水材」**を用いて対応しています。
 
 
※クニシール(ベントナイト止水材)
出典:クニミネ工業ホームページ
https://www.kunimine.co.jp/products/seal.html
 
  • ベントナイトとは? 火山灰からできた天然の粘土鉱物で、主成分は「モンモリロナイト」。 高い吸水性と膨張性により、水の侵入を自ら膨らんで防ぐ機能があります。 土木・建築分野ではダムや地下構造物の止水にも使われる実績のある材料です。
これにより、2段階施工であっても水密性を確保し、安心して暮らしていただける住まいを実現しています。

 

まとめ

当社では、耐震性・耐久性・施工精度をトータルに考慮し、2段階打設のベタ基礎を採用しています。見えない部分だからこそ丁寧に、そして確実に。お客様の大切な住まいを、基礎からしっかりと支えていきます。
 
 

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