皆さん、いかがお過ごしでしょうか。
さて今回はニュースレターでご紹介した、『駆け回る楽しみのある家』後編の最適解を導くための方法論についてご紹介したいと思います。
土地探しからスタートされたご家族6人の2階建てのお住いです。
・京都府の南部に位置し、西側には生駒山地から連なる丘陵地帯と木津川に挟まれたニュータウンで、北側・東側道路の角地(鈍角120度)で、道路との高低差が約1M程の第1種低層住居専用地域に指定された土地です。
ご要望は
・変形敷地を上手に活用してほしい
・本に囲まれて子供と一緒に勉強できるスペースをつくりたい
・吹抜がほしい等
上記要望をキーワードに、
台形の敷地形状で2面道路の高低差のある敷地である為、角地の鈍角を活かした平面形状で道路面は高低差を活かしながらプライバシーを高め、いろいろなコーナー・スペースの諸室とつながる5Mの大きな吹抜をもつ家をコンセプトに計画をスタートさせました。
計画の課題及び提案として
1.台形敷地と道路高低差を上手に活かす方法
2.南面・西面の住宅に面する敷地において日射取得のための建物形状・ゾーニングの検討
※台形敷地・北・東角地道路(120度)・敷地と道路の高低差(1M)
検討を重ね最適解に至った方法論ですが、
2.台形敷地を活かした建物形状において、北棟の1階南面は日射熱を享受するためにリビング・ダイニングを配置、キッチン・パントリーはリビング・ダイニングからさらに東に配置し、道路面までつながり朝日が差し込む気持ちの良いキッチンです。
南面外壁ラインの決定は、隣接建物の影響を受けない位置を日照シュミレーションにより導き出し、さらに1階北側の和室まで日射熱の恩恵を受けるために吹抜けを設けました。

吹抜周辺(2階)には室内干しスペース・家族のワークスペースなど、リビングと繋がります。
東側道路からのプライバシーを守るため、1階にビルトインの駐車スペースを用意した東棟は、敷地と道路の高低差を利用することで、2階の子どもたちのスペースは60センチほど下がったスキップフロアー・勾配天井・間仕切りのない大きな空間で変化に富み、遊具(ブランコ)などが使えるようSEの梁に規則的に穴を開け、子どもたちが楽しみながら生活ができる空間となっています。
2階吹抜け廻りへ午前の日射取得は、南棟より高さの低い東棟で影響を受けず、朝の8:00頃から吹抜けを通じて室内に暖かさを運びます。
このように周辺建物に囲まれた敷地であっても、高低差・吹抜けを活かすことで、暖かい室内環境を手に入れることが可能となります。

◼お住まい拝見見学会(イベントレポート)