至極の理系ミステリー♪

2020年5月31日更新

前回に続き、私の蔵書のご紹介です(汗)。
 
2008年に公開されたスカイ・クロラという、押井守監督のアニメーション映画をご存知でしょうか?
その原作となるスカイ・クロラシリーズ(全6巻)の単行本が私の本棚にはもう10年以上鎮座しています。
 
その作者は、ご実家が愛知県で工務店を営み、ご自身も工学博士でコンクリートの論文等で建築学会の受賞歴を持つ異色の小説家、森博嗣氏による原作です。
その境遇に共感した訳ではありませんが、1995年のデビュー以来「理系ミステリー」とも称される森氏の文体がスッと馴染むのは不思議なことでは無いと思っています。
 
今年のゴールデンウィークは最初からStay Homeを決め込んでいたので、久しぶりにその美しい装丁の単行本を読み返していました。


最初にこの小説を読んだ時もそうでしたが、一日一冊、6日間であっという間に読み終えてしまいます。
小説を読んでいるというより、文字のレールの上を滑る様に走り、そのうちに終着している不思議な感覚です。
架空の世界で繰り広げられるショーとしての戦争を舞台に、その中で生と死の間を生きる少年・少女たちの物語りなのですが、決して政治色や戦況を描写する様な生々しさは存在せず、どこか詩を読んでいるかの様に淡々と読み進めてしまいます。

もし、押井守監督の映画「スカイ・クロラ(2008)」がお好きだった方は、この森氏の原作もお勧めです♪

 

※以下の概要説明は、 フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』からの出典です。
ナ・バ・テア(None But Air)
作中の時系列では最も古い作品。クサナギとティーチャの出会いが描かれる。
ダウン・ツ・ヘヴン(Down to Heaven)
ティーチャが去った後、その優秀な戦績から次第に会社の広告塔へと祭り上げられていく中、あくまで空に留まりたいと、苦悩するクサナギの姿と、ティーチャへの想いが描かれる。
フラッタ・リンツ・ライフ(Flutter into Life)
淡々と日々を過ごしながらも、あるきっかけで『キルドレ』とクサナギの秘密を知ってしまうクリタをめぐる物語。
クレィドゥ・ザ・スカイ(Cradle the Sky)
病院から脱走した『僕』の逃避行と、『僕』をかくまう女達を描く。キルドレという存在について初めて詳しく描写されている。
スカイ・クロラ(The Sky Crawlers)
新しい基地から移って来たカンナミが、何度か出撃を重ねながらも淡々と日々を過ごしていく様子が描かれる。
スカイ・イクリプス(Sky Eclipse)
短編集。主人公や時系列に統一性はない。シリーズを側面から補完するストーリーが展開される。

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