ー本のある暮らしを楽しむ家ー②

2020年7月3日更新

さて今回はニュースレターでご紹介した、『本のある暮らしを楽しむ家』全4回の第2回、計画課題.①−2の最適解を導くための方法論に
ついてご紹介したいと思います。
 
 
 
愛着のある土地で家づくりをスタートされるご家族の2階建てのお住いです。
 
敷地は堺市の北区、7行政区のうちの一つである北部に位置し、大阪市のベッドタウンとして住宅開発された街で、堺市唯一の地下鉄が
区内を通り、2009年8月に南区を上回り、堺市最多人口の区となりました。
敷地は南東に道路、道路とほぼ高低差のない第1種中高層住居専用地域に指定された約70坪の整形な土地です。
 
 
ご要望は
・象徴的な本棚が欲しい
・プライバシーが高く周囲と目線が合わないように
・水廻りは道路から離して干し場は屋根付
・通風ができる雨戸が欲しい
・キッチンはスタディスペースが見え、リビングからは見えないように
・帰宅後、出発前の用意を全て一回で済ませたい
 
 
計画の課題及び提案
①.土地利用計画と家事動線に配慮したゾーニング計画
②.敷地に対して真北が45度東側に傾く際の日射取得と日射遮蔽の方法
 
 
検討を重ね最適解に至った方法論ですが、
①−2.ゾーニング計画について、この敷地では周辺状況から西以外の各方向から建物がよく見えるため、長く飽きのこないシンプルな形状の
総2階にするべきであると考えました。
また優先順位の高い上記のご要望から生活スケジュールにおいて、就寝までに必要な機能を1階へ配置した場合に、上下階の必要諸室面積
を算定した結果、空間に快適性を向上させる要素の一つである吹抜けを設けることができませんでした。
西側はご両親の住まいであることからプライバシーの高いこのエリアに、天井高さ約3Mの高天井のダイニングスペースを提案しました。
理由は食事をするだけのダイングではなく、長く過ごしたくなる気持ちのよいダイニングになって欲しいと考えたからです。
お気に入りのダイニングチェアで毎日の食事もさることながらお酒などを楽しんだり、会話を楽しんだり、緑が身近に感じられたり空が
見えたりと気持ちの良い設えが必要ですので、それには高さを生かし掃き出し窓を高さ3Mの天井から取り付け、里山住宅博で採用した造り付けベンチをその窓下に提案しました。
ダイニングエリアは、コンパクトな空間でありながらゆっくりと時間が流れる気持ちのよい空間になってくれることを期待しています。
 
次回は計画の課題①−3.各階の家事動線に配慮したゾーニング計画についてお伝えさせて頂きます。
 
 
※ゾーニング(計画上のプロセスの一つで、空間を機能や用途別にまとめて必要な空間の大きさを設定し、
相互の関連を見た上で位置関係を決定する設計手法です。)
 
 
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