心に深く刻まれる風景(3.11)

2021年3月7日更新

あの忌まわしい震災から10年が経ちます。
 
2011年は現在の福島区の地に事務所を構えた年ということもあり、当時の様子を今でも鮮明に覚えています。
今まで見たことも想像したことも無いテレビに映し出される映像を目の当たりにし、居ても立っても居られず3ヶ月経った6月末に工務店仲間数名と共に現地を訪れました。
カメラを向けることさえはばかれる気持ちを抱きながらも、その先の被写体は既に物言わぬ物体と化し、心に刻むべく貪欲に記録したのでした。
そして、津波で壊滅的な被害を受けた岩手県大船渡市を訪れました。
目的は津波を受けたSE構法による建物の被害状況を実際に確認するためです。
周辺の建物が軒並み跡形もなく消失している中、ポツンと残っているこの3階建ての建物が現れました。

3階部分の外壁には大きな穴が空き、且つインフラも寸断され、実際に住むことは困難な状態でしたが、
津波の強大な外力に耐えるSE構法の強度は想像以上のものでした。
残念ながら、その後の復興整備に伴い建物は解体されてしまいましたが、
SE構法での家づくりを提供する者に、少なからぬ勇気を与えてくれたのでした。
(家主の方がご無事なのは何よりの朗報です)
 
これまでずっと、この様に発信することは控えていたのですが、10年という歳月が経ったことと、
自分自身への戒めを込めて書かせて頂いた次第です。

被災を受けた仙台空港からの帰路、空から見下ろしたどこまでも茶色い海岸線の風景が忘れられません。    

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