ー職住が共にある下屋をもつ南生駒の家ー①

2021年8月17日更新

さて今回は『職住が共にある下屋をもつ南生駒の家』第1回、計画課題.①−1の最適解を導くための方法論についてご紹介したいと思います。
 
 
土地探しからスタートされたご夫妻の2階建てのお住いです。
 
計画地は西及び東側にそれぞれ6M・16Mの道路があり、南北に繋がる分譲地です。
敷地高低差が3M、北側にはサイドアプローチの住宅、南側は近隣の方が分譲地を一時的に畑に利用、真北は北側の住宅から23度ほど西側道路側に傾斜した、第一種低層住居専用地域に指定された敷地は整形な約75坪の傾斜地です。
 
 
ご要望は
・リビングは広く、テレビ中心じゃない生活(インテリアから間取りを決めたい)
・キッチンダイニングとは繋がりつつも空間的には分けたい(LDKが真っ直ぐ続く間取りはNG)
・コンパクトで落ち着くダイニング
・キッチンはクローズでもオープンでもない程よい空間
・洗面はランドリールームを兼ねた広めの空間に
 
 
計画の課題及び提案
①.土地利用計画と家事動線に配慮したゾーニング計画
②.2面道路で3Mの高低差がある敷地でのプライバシーの確保とコストダウン提案
 
 
 
検討を重ね最適解に至った方法論ですが、
①−1.今回の計画地は、道路が対側に2面ありその高低差が3Mあることで、どのように建物を配置しまた玄関にどちらの道路からアプローチさせるべきかを検討しました。
 
 
【周辺状況他】
西側道路6Mの対側には木造2階が立ち並び、東側道路は敷地から3M下にある歩道付16Mの幹線道路で対側の2階建住宅は画一的に並んでいるが、一部住宅の間から東に山の稜線を敷地中央あたりで望むことができ借景として室内に取込めることがわかりました。
北側の住宅は、東側幹線道路から駐車・アプローチになっており、サイドアプローチで玄関ドアは目隠しなしで直接見えています。
南側敷地は、現在畑として利用されているが将来建物が建つ想定が必要です。
また敷地の1/3あたりから東・北に向かって法面となっており、法面以外の有効宅地は35坪程度です。
現地にて周辺をみわたすと無機質なコンクリート擁壁で駐車・アプローチを作り、幹線道路からのアプローチが大半でした。
このような状況から建物配置をどうするべきか検討に入りました。
 
 
【建物配置検討】
メインアプローチが3Mの高低差を階段で上がるのは無理がある為、西側6M道路からをメインアプローチとしました。
また隣接地の玄関位置、幹線道路および対側の住宅からの視線、南側敷地の将来住宅が立つであろう、周辺の懸念要素から建物を真南に配置させることを考えました。
そうすることで正対する視線をかわすことができ、プライバシーを守りながら目隠しを相当数減らせられることがわかりました。
また西側道路は北と南で1Mの勾配がついていますが、中央付近からアプローチさせることで、敷地両サイドに駐車スペースを作り、さらにもう一台縦列で停車できるよう建物を後退し、バランスの良い土地利用計画が可能となりました。
 
 
 
次回は計画の課題①−2.ゾーニング計画についてお伝えさせて頂きます。
 

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