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さて今回は『自然が背景となる鷲林寺の家』第2回、計画課題.①−2の最適解を導くための方法論についてご紹介したいと思います。
 
 
土地探しからスタートされたお2人の2階建てのお住いです。
 
計画地は南側に7M弱の道路で東に向かって約2Mほど下り、周辺との敷地高低差は最大約2.0M、敷地内は全体の50%弱(南・東エリア)が約1Mほどの高低差があり、外壁後退1.5M、隣接する2階建住宅に囲まれた第一種低層住居専用地域に指定された台形型の約150坪の土地です。
 
 
ご要望は
・外観は欧風
・外とのつながりを大事にしたい
・既存のレンガ弊を生かしたい
・空気がこもらないように
・恵まれた眺望を大事にしたい(室内外)
・コーナーソファーが欲しい
 
 
計画の課題及び提案
①−2.土地利用計画とゾーニング計画
②.プライバシーの確保と終日日射取得の両立
 
 
検討を重ね最適解に至った方法論ですが、
①−2.前回は敷地高低差を考慮した土地利用計画についてお伝えさせていただきましたが、今回はゾーニングについてご説明させて頂きます。
 
意匠・構造面に影響を与える建物形状について、ご要望から上下階の諸室を確認(ゾーニング)していきます。
 
1階はご夫妻の生活スタイルから水廻り・LDKとデスクスペース+寝室、
2階は寝室と予備室、吹抜け、ルーフバルコニー
 
上記面積を算出し1階面積が2階より増加するため、意匠上の検討が必要となりました。
 
次に敷地にゆとりがあるため建物の奥行きを想定し、面積から建物間口を決定します。
 
建物の奥行きは室内温度に影響を与えるため、奥行きが小さいほど室温差がなくなりますが吹抜けの奥行き方向にゆとりが欲しいため、階段その他部分を建物外壁から1モジュール(910ミリ)突出する平面形状としました。
 
 
それでは各階のゾーニングについてご説明いたします。
 
 
1階では、寝室をゾーニングに加えていくことで、廊下を最小限にしたい理由から玄関は中央付近とし、階段位置も同じく中央にほぼ近い配置。
 
リビング・ダイニング・キッチンは最も気持ちのよいエリアとして南東面に集中します。
 
リビングは、要望から最も空間を広く高さを確保できる階段を外壁面から北面に張り出した位置に、すなわち玄関からホールすぐにお客様を迎えられる位置に配置。
 
よってダイニングは落ち着いた空間となるよう天井高さを抑え、南北にダイニング・キッチンとし、さらに中間領域を作ることで空間の気持ち良さが増すように東側に2Mほどの奥行きの軒下空間を作りました。
 
この空間は、プライバシーの高い位置に面しているため風が気持ちの良い中間期の終日、雨の日など自然の雨音だったり鎖樋から落ちる風景などあえて建物に樋はつけずに土面に排水処理を施します。
 
玄関から西面は収納を挟みゲストルームのスペースとし、水周りは玄関の北側寄りで北西に配置しました。
 
玄関は、諸室に挟まれた空間になる為演出を施しました。
 
玄関北側は洗面ですが、玄関中央になるよう洗面の建具及びサッシを南北の軸線に合わせ、洗面には大きなFIXのサッシを取り付け、ホールから建具をルーバーの造作建具として洗面FIXサッシ越しに樹木が見える演出をしました。
 
 
次に2階ですが、寝室は周辺の山並みなど風景が見える西及東に分散し、前回のブログでご紹介した施主の頑張りに応えるべく窓設計を慎重に行い、いい風景が切り取れるよう配慮しました。
 
今回はいつもとタイプの違う吹き抜けを提案しました。
 
吹き抜けは1階の暖かさを補うものとして提案していますが、今回は空間を縦につなげるいわゆるVOID(ヴォイド)の提案です。
 
よって南面には開口はなく、階段エリアとつなぐ部分もルーバーを提案し閉じたものとしました。
 
唯一ソファに座りながら空が見えるように西面にルーフバルコニーを経由して空が見えるようにし、気持ちの良い吹き抜け空間となるよう提案しました。
 
ルーフバルコニーは、干場の機能を持たせ上空のみ解放したプライバシーの高い空間となっています。
 
ルーフバルコニーの北側には、お客さまの要望から室内干場兼用のゲストルームを配置しました。
 
ファサードについて、ボルドー色の要望から屋根及び樋を赤ワインの色目に近いものを提案し、社内レビューでは切妻では違和感がある指摘から屋根形状を切妻屋根の角を落としたドイツの古い建物に多い、いわゆるはかま腰屋根(ドイツ破風)を提案しました。
 
東西に長く庇・屋根の水平ラインが強調され、1階に連続する大きな窓、左官の塗り壁、屋根の隅を切った形状が柔らかさが生まれきれいなフォルムになりそうです。
 
 
次回は計画の課題②.プライバシーの確保と終日日射取得の両立についてお伝えさせて頂きます。