住まいのコラム|⒊同じアイテムが1カ所に集まってなくてもいい、かも?

こんにちは。フリーエディター&旅するブログの先生、「編集脳」アカデミー主宰の藤岡信代です。
インテリア雑誌編集長時代は、さんざん収納を特集したのに、収納が苦手な私(苦笑)。その理由はなんだろう?片づけのプロに取材しながら、片づけられない理由を探っています。

第2回に続いて、今回も「食器の収納」がテーマ。
兵庫県宝塚在住の暮らしのアドバイザー、土井けいこさんの食器収納をご紹介します。

 


食器は一括収納?分散収納?考えたことありますか?

前回は、「食器は食器棚にしまうもの」という思い込みから、「引き出しにしまったほうが便利」と考えが変わった、というお話を書いたのですが、もう一つ、食器収納で目ウロコ体験をしたことがあります。土井けいこ先生のお宅の食器収納を目にしたときです。

トップの画像は、土井先生宅のダイニングルームのコーナーにある背の高い食器棚(正確にはシステム収納家具)。棚ごとにしまう食器が分類されていて、とっても美しい。これだけなら目からウロコは落ちないのですが(笑)、土井先生宅にはもう一つ、食器収納があるのです。
それがこちら。

キッチンの中にもシステム収納棚があり、こちらにも食器が収納されています。
食器は食器棚に「全部しまうもの」という思い込みがあった……と、これまた気づかされました。

 


 

とても気に入っているのになかなか使うチャンスがない小さな土鍋やときどき使う大好きなフタものを一カ所に集めました。【好きなもの】のくくりを新設したんです。以前その【枠】に入っていたものは、ほかの【枠】に分散吸収。使用頻度や自分にとっての意味をチェックしながら、少しずつものが【枠】を移動、再編して、最後には手放す。これを繰り返して19年です」

土井けいこさん

 


 

「19年前のことですが、阪神淡路大震災後3年かけてやっと見つけたのがいまの住まい。器を楽しむ暮らしを実現することが大きなテーマでした。そのテーマのもと制約を活かしながら具体策を考えました。

  • 手持ちの家具、システム棚(LBシリーズ)を活かすこと。
  • 好きな器を眺めて、触れて、使って、存分に愉しめる収納にすること。
  • オープン棚は離れて見たとき、器がインテリアの一部になること。
  • 扉収納は、開けたとき全体が見えること。
  • さらに、大きさ、質感、色など、バランスよく配置されていていること。

見た目のバランスだけでなく、棚ごとに使う目的や使う場面などで、大まかにグループ分けして、わかりやすい収納状態を考えました」

土井けいこさん

 

こういう暮らしがしたい。
だから、こんなものを持つ。
それを活かすために、収納を工夫する。

収納上手な人の共通点は、この発想のプロセスにあるような気がします。言い換えれば、「ものをしまうこと」をスタートにしない、ということです。

 

 

前回のお話(第2弾)はこちらから → ⒉専用の収納スペースが必要ですか?


 

Fujioka Nobuyo

インテリアエディター

インテリア雑誌『PLUS1LIVING』ハウジング雑誌『はじめての家づくり』などの編集長を経て、現在では『編集脳アカデミー』主宰として住宅や編集に関するセミナーやコンサルティングを行う。

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