もし家が浸水してしまったら

2026年9月13日更新

こんにちは。

フクダ・ロングライフデザイン 設計の田中桂です。

ここ最近、日本各地で集中豪雨による浸水被害を目にする機会が増えています。住宅を設計する立場として、こうしたニュースを見るたびに「建築でできる水害対策は何か」と考えます。

もちろん、計画段階でハザードマップを確認することはとても大切です。

敷地を高くしたり、床を上げたり、設備を高い位置に設けたり——建築的にできる対策はいくつもありますが、コストやデザインとの兼ね合いもあり、すべてを取り入れればよいというものでもありません。

だからこそ今回は、少し視点を変えて、「もし浸水してしまったら、何を考えればよいのか」について書いてみたいと思います。

ご自身の家だけでなく、ご親族やお知り合いの家が浸水してしまったときの知識としても、知っておいて損はないはずです。

以前、お会いした信州大学の中谷岳史先生が仰るには、浸水した後はできるだけ早く汚れを落とし、しっかり乾燥させることが何より大切とのことです。

床上まで水が入ってしまった場合、見える部分の水が引いたからといって、それで終わりではありません。

床下や壁の中、断熱材など、普段見えない部分に水分が残っていることもあります。そのままにしておくと、カビや臭い、材料の劣化につながる可能性があります。

まずは泥や汚れを取り除く。そして、濡れた部分をできるだけ早く乾かす。一見すると単純なことですが、被災直後に何を優先するかで、その後の復旧にも大きな違いが出てきます。

そしてもうひとつ大切なのが、早めに建築の専門家へ相談すること。どこまで床や壁を開ける必要があるのか。断熱材はそのまま使えるのか。構造材は十分に乾いているのか。見た目だけでは判断しにくい部分も多いため、状態を確認しながら復旧方法を考えていく必要があります。

水害をすべて建築で防ぐことは、なかなか難しいものです。だからこそ、まずは自分たちが暮らす土地のリスクを知っておくこと。そして万が一浸水してしまったときには、「清掃・乾燥・早めの相談」を意識すること。

災害を防ぐことだけでなく、起きてしまった後にどう対応するか。そんな知識も、これからの住まいづくりには大切なのだと思います。

参考:気候変動適応情報プラットフォーム「浸水被害に遭った建物を守り、復旧させる技術を広める」

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