大きな吹き抜けからやさしい光が降り注ぎ、窓越しに庭の緑が広がる。リビング・ダイニング・キッチンがゆるやかにつながるこの空間は、パッシブデザインの手法で自然の光と風を活かしながら、日々の暮らしに心地よさを。
キッチンに立つと、吹き抜けから差し込む光と庭の緑が視界いっぱいに広がり、家全体のつながりを感じられる。リビング・ダイニング・ワークスペースがひとつながりになった間取りは、家族の気配をやさしく保ちつつ、自然と心地よく過ごせるよう設計。
窓辺から差し込む朝の光と、ゆらぐ木陰の影。自然と調和した設計が、日常の一瞬を美しく切り取ります。床暖房の吹き出し口も丁寧に納め、見た目と快適性を両立。五感で季節を感じる、豊かな暮らしを形に。
吹き抜けに設けたシーリングファンが、上下階の空気をやさしく循環させ、快適な温熱環境を一年中サポート。
家のどこかにこもるのではなく、家族のそばで静かに集中できるワークスペース。小さな窓から差し込む自然光と、造作収納の温もりが心を整えてくれる。デスク左の扉の中にはお仏壇を、下部のルーバーの奥にはパッシブ冷暖房のエアコンを設置。暮らしの中に祈りと快適性をさりげなく組み込んだ、設計の工夫が詰まった一角です。
木の温もりとステンレスの質感が調和したキッチンは、機能性と美しさを両立。手元に自然光が届く窓配置や、動線上に設けたパントリーが、日々の料理を快適に支え、家事の効率も高める。空間全体に統一感を持たせた、心地よく使えるキッチン。
床を一段下げ、天井に木をあしらったこもり感のあるリビングは、自然と家族が集まる居場所に。足元には堀田カーペットを敷き込み、肌触りの良さと落ち着いた雰囲気を両立。大きな開口部から庭の緑を望みながら、静かで心ほどける時間を過ごせる空間です。造作のソファや収納も空間に調和させ、暮らしに馴染む心地よさを大切に。
天井高を抑えた木張りのリビングは、空間に包まれるような安心感をもたらします。足元には堀田カーペット、壁際には造作ソファをしつらえ、間接照明がやわらかな光で心地よさを演出。ソファに腰かければ、キッチン・ダイニング・庭まで視線が抜け、家全体のつながりを感じられます。休日はここで過ごす時間が、いちばん心ほどけるひとときに。
リビングのソファに腰かけると、正面に広がるのは四季を感じる中庭の景色。窓越しに差し込む光と木々の揺らぎが、室内にやさしいリズムをもたらします。外とつながりながらも、しっかりと守られた安心感があり、何気ない日常が少し特別に感じられる時間を。
床下エアコンによるパッシブ冷暖房の吹き出し口は、空間に馴染むよう木製のガラリで丁寧に納めました。カーペットの柔らかな質感と相まって、機能性と美しさを両立。見た目を損なうことなく、足元からやさしい快適さを。
木の天井と障子のような柔らかい光に包まれた畳の空間は、心を整える静かな場。窓には断熱性と調光性に優れたハニカムブラインドを採用し、外の視線をやさしく遮りながらも植栽の緑を楽しめるよう計画に。床下エアコンの吹き出し口もさりげなく納め、快適性と美しさを両立。来客時は客間に、ふだんはごろりと寝転ぶ居場所に。暮らしに寄り添う、しなやかな和の空間。
木の天井に設けた2灯のダウンライトだけで照らす、控えめで落ち着いた照明計画がこの空間のポイント。畳の素材感とハニカムブラインド越しのやわらかな光が相まって、心と身体が静かにほどけるような時間が流れる。最低限の灯りがもたらす、贅沢な静けさを感じる和の空間。
やわらかな間接照明が勾配天井を照らし、包まれるような安心感を演出する寝室。天井の丸みが光を受けて、空間にやさしい陰影を生み出します。眠りに誘う静けさと落ち着きを丁寧に設計。
洗面台のすぐ隣に設けた室内の洗濯スペースは、雨の日でも問題なく部屋干しができる心強い家事空間。窓際に設えた造作のカウンターは、洗濯物を畳んだりアイロンをかけたりと多用途に使える便利な工夫。自然光と木のぬくもりに包まれながら、毎日の家事が少し楽しくなるような場所に。
パッシブ冷暖|暖房
エアコンからの温風を床下の分配ボックスとダクトを通じて床下全体に送り込む。これにより、床全体が均一に暖まり、輻射熱で室内を快適に暖める。従来の床暖房と異なり、特定の部分だけでなく、部屋全体の床面が暖かくなるため、より高い快適性を実現。
パッシブ冷暖|冷房
冷房時には、エアコンからの冷気を床下空間に送り込みます。冷たい空気は自然に下に溜まる性質があるため、床下に冷気を蓄える。その後、ファンを使って冷気を持ち上げ、壁の上部から室内にゆっくりと吹き下ろすことで、部屋全体を均一に冷やす。この方法により、直接的な冷風を感じることなく、柔らかな涼しさを実現。
建築概要
- 設計担当
- 千知岩賢二 鳴瀬加奈子
- 建築概要
- SE構法2階建て
- 建築面積
- 95.99m2(29.04坪)
- 延床面積
- 116.26m2(35.17坪)
- 施工面積
- 126.16m2(38.16坪)
- 敷地面積
- 180.94m2(54.73坪)
- 建ぺい率
- 53.05%
- 容積率
- 64.25%
- 耐震等級
- 等級3(最高等級)
- 耐風等級
- 等級2(最高等級)
- 断熱等級
- 等級6
- 温熱地域区分
- 6地域
- 年間日射量地域区分
- A4区分
- 用途地域
- 第一種低層住居専用地域
- 防火地域
- 法22条地域
- 耐火構造
- 防火構造
住まいの省エネ性能
省エネ性能測定値
- BEI
- 0.45
- 年間冷暖房負荷
- 121.42 MJ/(㎡・年)
- UA値(外皮平均熱貫流率)
- 0.43 W/㎡・K
- Q値(熱損失係数)
- 1.56 W/㎡・K
- C値(相当隙間面積)
- 0.30 c㎡/㎡
- ηAH値(冬の日射熱取得量)
- 2.8
- ηAC値(夏の日射熱取得量)
- 0.9
弊社基準値:UA値0.46W/㎡・K以下、Q値1.6W/㎡・K以下、C値0.5c㎡/㎡以下
年間光熱費比較
- 一般の家省エネ基準
- HR様邸パッシブ冷暖
- 33.95万円
- 10.57万円 69%節約
- 0
- 5
- 10
- 15
- 20
- 25
- 30
- 35
- ※基本料金なし、電気:¥28/kwh、ガス:¥150/m3
- ※一般の家の省エネ基準は「H28年度省エネ基準」の性能値です。売電単価¥21/kWh(2020年度)
共通仕様
製品 | 熱貫流率 | 熱損失 | |||
---|---|---|---|---|---|
断熱 | 屋根 | 外側 | 硬質ウレタンフォーム2種2号 36mm | 熱貫流率 0.22W/㎡K | 熱損失 15.51W/K |
内側 | 吹付け硬質ウレタンフォームA種3 120mm | ||||
壁 | 内側 | 吹付け硬質ウレタンフォームA種3 120mm | 熱貫流率 0.34W/㎡K | 熱損失 65.01W/K | |
基礎 | 内側 | 硬質ウレタンフォーム2種2号 36mm | 熱損失 19.43W/K | ||
開口部 | 窓 | 樹脂サッシ|Low-Eペアガラス | 熱貫流率 1.55〜1.75W/㎡K | 熱損失 47.07W/K | |
玄関扉 | 木製断熱玄関ドア | 熱貫流率 1.1W/㎡K | |||
熱損失合計 147.02W/K ÷ 外皮表面積合計 348.54㎡ = UA値 0.422W/㎡K |
製品 | 備考 | |
---|---|---|
空調 | ルームエアコンディショナー | パッシブ冷暖 |
換気 | 第三種換気システム | 比消費電力 0.11W/(m3/h) |
給湯 | ガス潜熱回収型給湯器 | モード熱効率 92.5% |
照明 | すべての機器においてLEDを使用 | |
創エネ | 太陽光 | 3.15 |
一次エネルギー消費量
この家の設計一次エネルギー | 基準一次エネルギー | 削減率 | |
---|---|---|---|
暖房設備 | 11184MJ | 32777MJ | 65.88%削減 |
冷房設備 | 3586MJ | 12386MJ | 71.05%削減 |
換気設備 | 2092MJ | 4763MJ | 56.08%削減 |
給湯設備 | 19300MJ | 25091MJ | 23.08%削減 |
照明設備 | 5749MJ | 17528MJ | 67.2%削減 |
調理その他家電設備 | 21241MJ | 21241MJ | 0%削減 |
発電設備の発電量のうち自家消費分 | -13866MJ | - | - |
コージェネレーション設備の売電量に係る控除量 | - | - | - |
売電 | -21437MJ | - | - | 27849MJ | 113786MJ | 75.5%削減 |
※基準一次エネルギーとは、住宅の省エネルギー基準における、地域や床面積などを考慮して定められた一次エネルギー消費量の基準値のことです。