道路からの視線を和らげる植栽と塀が、プライバシーを守りながらも開放感のあるウッドデッキ空間を実現。自然を身近に感じながら過ごせる、内と外がゆるやかにつながる居場所。
室内と緩やかにつながるウッドデッキは、暮らしにもうひとつの居場所を与える外のリビング。足元の植栽は視線を遮りながらも風通しと緑の気配を届け、街中でも自然を感じられる心地よい中間領域。
外壁の落ち着いた塗材の質感に、植栽の鮮やかな緑が映え、光と影のコントラストが心地よい。日常の中でふと見上げたときに、自然と建物が調和して暮らしをやわらかく包み込んでくれるような景色を。
わずかなスペースにも植栽を施すことで、暮らしの中に自然の潤いと季節の気配を添える工夫を。建物と外構の隙間さえも、丁寧に設えれば心を和ませる風景の一部に。
庭へとつながる大開口と吹き抜けが、光と風をやさしく取り込むリビング。低く抑えた造作家具や天井の木貼りが、落ち着いた安心感を生み出し、室内と外の緑がゆるやかにつながる心地よい居場所に。住まい手の時間がゆったりと流れるよう設計。
窓の向こうに広がる庭の緑が、室内にやさしく溶け込むような木製サッシ。室内にいながら季節のうつろいを感じられ、朝の光や夕暮れの風が日常に豊かさを添えてくれる——そんな「自然とつながる暮らし」をかたちに。
木のぬくもりと陰影のある素材感が心を落ち着かせるダイニング。隣接する庭からの光をやわらかく取り込みながら、家族が自然と顔を合わせたくなるような、ほどよい距離感が心地よい空間。
あえて粗さを残した石張りの壁が、空間に豊かな表情と奥行きを与えるアクセントに。光の移ろいとともに陰影が刻まれ、時間とともに味わいを増す素材感が、暮らしに静かな優雅さをもたらす。
窓の向こうに広がるウッドデッキと植栽は、室内と外との境界をやわらかくつなぎ、四季のうつろいを身近に感じられる暮らしを演出。光と風、緑の気配を日常に取り込み、心地よく過ごせる中間領域。
手に触れるたびに心地よさを感じられるよう、断面形状や取付け位置にまで配慮した木製手すり。空間に溶け込む静かな佇まいと、使い手へのやさしさを両立するため、ディテールにこだわって設計。
和室の天井には、繊細な編み目が美しい網代ベニヤを用いた竿縁天井を採用。自然素材の温もりと職人技の細やかさが調和し、やさしく包まれるような落ち着いた空間を演出。毎日の暮らしの中で、ふと見上げたくなるような、上質な天井に。
空気の流れと光の通り道をつくる、回転式の欄間。通風や昼光利用といったパッシブデザインの考え方を取り入れ、必要に応じて調整できる柔軟な仕組みによって、心地よい室内環境を自然の力でつくり出す。
無垢材の笠木は手に触れたときの質感にまでこだわり、階段の上り下りを心地よい時間に演出。お気に入りの絵や小物を飾れる余白を設けることで、日常のなかに“らしさ”がにじむ階段空間。
階段室に設けたトップライトがやわらかな光を届け、廊下は本棚として有効活用。ただの通路ではなく、家族の本やモノが並ぶことで、居場所のような親しみを感じられる場所に。
吹き抜けに面した小さな書斎コーナーは、リビングの気配を感じながらも、ほどよくこもれる居場所に。家の中にちょっとした“こもり空間”を設けることで、暮らしにメリハリと心の余白を。
書斎から見下ろすリビングは、吹き抜けを介して家族の気配を感じられる安心感のある距離感に。上下階のつながりが、空間だけでなく暮らしのつながりも育んでくれるよう意図している。
吹き抜け上部に設けたシーリングファンは、空気の循環を促し、季節を問わず快適な室内環境をサポート。パッシブな温熱設計の一部として、光や風とともに、自然の力を活かす住まいづくりを目指す。
パッシブ冷暖|暖房
エアコンからの温風を床下の分配ボックスとダクトを通じて床下全体に送り込む。これにより、床全体が均一に暖まり、輻射熱で室内を快適に暖める。従来の床暖房と異なり、特定の部分だけでなく、部屋全体の床面が暖かくなるため、より高い快適性を実現。
パッシブ冷暖|冷房
冷房時には、エアコンからの冷気を床下空間に送り込みます。冷たい空気は自然に下に溜まる性質があるため、床下に冷気を蓄える。その後、ファンを使って冷気を持ち上げ、壁の上部から室内にゆっくりと吹き下ろすことで、部屋全体を均一に冷やす。この方法により、直接的な冷風を感じることなく、柔らかな涼しさを実現。
建築概要
- 設計担当
- 千知岩賢二
- 建築概要
- SE構法2階建て
- 建築面積
- 129.54m2(39.19坪)
- 延床面積
- 211.19m2(63.88坪)
- 施工面積
- 219.56m2(66.42坪)
- 敷地面積
- 221.77m2(67.09坪)
- 建ぺい率
- 58.42%
- 容積率
- 80.5%
- 耐震等級
- 等級3(最高等級)
- 耐風等級
- 等級2(最高等級)
- 断熱等級
- 等級6
- 温熱地域区分
- 6地域
- 年間日射量地域区分
- A4区分
- 用途地域
- 第一種低層住居専用地域
- 防火地域
- 準防火地域
- 耐火構造
- 防火構造
住まいの省エネ性能
省エネ性能測定値
- BEI
- 0.59
- 年間冷暖房負荷
- 196 MJ/(㎡・年)
- UA値(外皮平均熱貫流率)
- 0.43 W/㎡・K
- Q値(熱損失係数)
- 1.3 W/㎡・K
- C値(相当隙間面積)
- 0.4 c㎡/㎡
- ηAH値(冬の日射熱取得量)
- 1.6
- ηAC値(夏の日射熱取得量)
- 1.0
弊社基準値:UA値0.46W/㎡・K以下、Q値1.6W/㎡・K以下、C値0.5c㎡/㎡以下
年間光熱費比較
- 一般の家省エネ基準
- この住宅パッシブ冷暖
- 33.2万円
- 2.7万円 92%節約
- 0
- 5
- 10
- 15
- 20
- 25
- 30
- 35
- ※売電単価¥16/kWh(2023年度)
- ※基本料金なし、電気:¥28/kwh、ガス:¥150/m3
共通仕様
製品 | 熱貫流率 | 熱損失 | |||
---|---|---|---|---|---|
断熱 | 屋根 | 外側 | 硬質ウレタンフォーム2種2号 36mm | 熱貫流率 0.22W/㎡K | 熱損失 20.49W/K |
内側 | 吹付け硬質ウレタンフォームA種3 120mm | ||||
壁 | 内側 | 高性能グラスウール16K 120mm | 熱貫流率 0.36W/㎡K | 熱損失 91.61W/K | |
外気に接する床 | 内側 | 吹付け硬質ウレタンフォームA種3 140mm | 熱貫流率 0.3W/㎡K | 熱損失 2.66W/K | |
バルコニー直下の床 | 内側 | 吹付け硬質ウレタンフォームA種3 180mm | 熱貫流率 0.25W/㎡K | 熱損失 2.02W/K | |
基礎 | 内側 | 硬質ウレタンフォーム2種2号 36mm | 熱損失 25.38W/K | ||
開口部 | 窓 | 樹脂複合防火サッシ|Low-Eペアガラス | 熱貫流率 1.51〜1.73W/㎡K | 熱損失 63.3W/K | |
玄関扉 | 木製断熱防火扉 | 熱貫流率 1.29W/㎡K | |||
熱損失合計 205.46W/K ÷ 外皮表面積合計 482.67㎡ = UA値 0.43W/㎡K |
製品 | 備考 | |
---|---|---|
空調 | ルームエアコンディショナー | パッシブ冷暖+個室ルームエアコンディショナー |
換気 | 第一種熱交換換気(ダクトレス) | 比消費電力 0.11W/(m3/h) |
給湯 | 電気ヒートポンプ給湯器 | JIS効率 2.8 |
照明 | すべての機器においてLEDを使用 | |
創エネ | 太陽光発電 | 7.47kw |
一次エネルギー消費量
この家の設計一次エネルギー | 基準一次エネルギー | 削減率 | |
---|---|---|---|
暖房設備 | 14105MJ | 32877MJ | 57.1%削減 |
冷房設備 | 12804MJ | 13570MJ | 5.64%削減 |
換気設備 | 3667MJ | 6717MJ | 45.41%削減 |
給湯設備 | 18422MJ | 25091MJ | 26.58%削減 |
照明設備 | 7443MJ | 20730MJ | 64.1%削減 |
調理その他家電設備 | 21241MJ | 21241MJ | 0%削減 |
発電設備の発電量のうち自家消費分 | -22091MJ | - | - |
コージェネレーション設備の売電量に係る控除量 | - | - | - |
売電 | -59047MJ | - | - | -3456MJ | 120226MJ | 102.9%削減 |
※基準一次エネルギーとは、住宅の省エネルギー基準における、地域や床面積などを考慮して定められた一次エネルギー消費量の基準値のことです。